モノ自体は決して悪くないのに相性が悪いルアーってありますよね。
どれだけ投げても釣れないとかバレが連発するとか持っていくと事故るとかwその理由は様々ですが、ハズレのタマばっかりを引いてしまうという相性の悪さもあったりします。
そんなハズレクジを引き続けているルアーがコレ、ノーマンのミドルN。
絶対に釣れるはずなのに、変なのばっかりを身請けしてしまうという、のんだくれにとっての鬼門ルアーです。
ミドルNとは
ミドルNは1990年代の初め(1992年?)にノーマンルアーズがリリースしたダイビングクランクベイトです。
ビルノーマンインターナショナルからノーマンルアーズへと社名変更したタイミングでリリースしたプロフェッショナルエッジシリーズ Professional Edge Seriesの一員としてのデビューでした。
プロフェッショナルエッジシリーズとは、ノーマンがパテントを取得したゲルコートフィニッシュ(グリッターフレークを大量に混入した耐衝撃性トップコート)をメインに押し出したプロシリーズのこと。
デビュー時はベイビーN/ディープベイビーN/リトルN/ミドルN/ビッグN/ディープリトルN/DD14/DD22からなる8モデルで構成されていましたが、グリッター/ダズルカラーのブームに乗って大ヒットしたことで他のモデルもメンバーに加わり、終いにはどれが本当のメンバーなのか判別できない状態にw
上州屋のワゴンで投げ売りされていたのはちょうどこの頃なので、覚えている人も多いと思います。
ミドルNのサイズ・重さ
ミドルNはボディ長50ミリ、自重3/8ozの小型クランクベイトです。
ダイワのデカピーナッツをひとまわり小さくしたサイズ感ですね。
潜行深度はカタログ値では7-9フィートとなっていますが、感覚では6フィートぐらいが限界だと思います。
その理由は後述するとして、デビュー当時のカタログには潜行深度が5-7フィートとなっていたのでそっちの方が実態に近いですね。
ミドルNのアクション
ミドルNのアクションをひと言で表すと、振り幅を抑えたタイトなウォブリング。
ノーマンのサイトではワイドウォブルと謳われていますが、ワイドなウォブリングアクションを売りにしているクランクが多数出回っている今の時代にこれをワイドと言うにはちょっと無理がある。
ボディ幅よりもワイドなリップがそういったイメージを助長してるのかもしれませんが。
とは言うものの決して中途半端な感じはなく、ノーマンの他のクランクベイトと同様に、これは釣れちゃうでしょ!という妙な安心感をもたらしてくれます。
このサイズのクランクにしては浮力があるので、浮上スピードがクイックでテンポ良く撃っていけるというメリットも。
サイズ的にも潜行深度的にも野池のオカッパリには最適と言えますね。
ノーマン時代のものはプラスチック素材の違いゆえちょっと籠ったラトルサウンドでしたが、近年のプラドコモデルは高音体質に進化しています。
ミドルNの弱点
しかしイイとこづくめのクランクベイトに見えるミドルNなんですが、実は重大な弱点を抱えています。
それは【対応できるリトリーブスピードの範囲が狭い】ということ。
実はこのルアー、ちょっと早目のリトリーブだとすぐに泳ぎが破綻してしまうのです。
高速リトリーブ対応のクランクではないのでスピードトラップのようなパフォーマンスは求めていませんが、それにしても不安定すぎる。
スローからミディアムスピードだとイイ感じに泳ぐので、おっ!😍 となるのですが、スピードを上げると幅広のリップが水を捌き切れないのか回転し始めるので、あ”ー😩 ってなっちゃうのです。
その不安定さが影響するのか、先述の通り潜行能力もカタログ値には届きません。
不安定なのはのんだくれが使った個体だけなのかと思って他のミドルNも試すのですが、若干の差こそあれどほとんど変わらず。
アイチューンで対応できないものが多いので先天的な欠陥なのかと思いきや、稀にメチャクチャいい感じのタマもあったりして、どうにも実態が掴めないのです。
のんだくれがミドルNとの相性が悪いというのは、実はこれが理由。
ミドルNのスゲー釣果を聞く度に、今度こそ!と思って新しいのを買って投入するんですが、コレだ!というモノになかなか当たらないのです😭
この ”ハズレ話” を周りのアングラーにすると、そうかなぁ?という反応ばかりなので、おそらく世間一般ではそんな事はないんでしょうけど、ここまでハズレばっかりだともうルアーとの相性が悪いとしか思えないんですよね。
なのでほとんど使わなくなってしまいました。
釣れそうなオーラ満載なだけにもったいないんですけどね。
ミドルNのフック
そんな不安定なバランスを改善しようとフックのバランスもいろいろ模索してみました。
デフォルトでは前後とも#6サイズが装備されていましたが、フロントを太軸の#4サイズに変更して泳ぎの安定化を図っています。
これだけでも随分マシになりますが、それでも納得レベルにはまだ届かず😭
泳ぎの支点であるフロントフック前にウェイトを貼っても期待するほどの改善は見られないので、どうやらウェイト追加による安定化は正解では無いようです。
こう言うケースでは皆さんどうしてるんでしょうか?
ちなみにこのミドルN、ノーマルの状態では高確率で前後のフックが絡むのでバイトチャンスを逃しがち。
よって同じサイズのショートシャンクに交換するのをオススメします。
ミドルNのカラー

下はSH4カラーのバグリーダブルオーセブン
泳ぎにイマイチ感はあるものの、このミドルNのカラーリングは高得点をマークしています。
いわゆるバグリーの定番色を塗った、通称バグリーカラーと呼ばれるヤツですね。
バグリーのカラーコードでいうところのSH4で塗られています。
プラドコ買収前のノーマンは積極的にカスタムカラーのオーダーを受けていたので、おそらくこのカラーもそのうちの一つでしょう。
ちなみに2009年頃のノーマンのオーダーシートによると、1カラーにつき500個からカスタムカラーの注文に応じていました。
プラドコになった今は違いますが、その頃のノーマンの仕切り価格はどのルアーも大体1.80ドル/個(ゲルコートは別料金)だったので、送料だの関税だのもひっくるめて120,000円ほどで500個のカスタムカラーが入手できた計算となります。
のんだくれはそれを思い出す度に、”バグリーカラーのZZトップとかウンデッドフラッシュとかオーダーしときゃ良かったな…” と後悔してるワケですが😭

ノーマンのお約束
ノーマンといえば無骨なパーティングラインを忘れちゃいけません。
実はノーマンのパーティングラインには、不思議な力があるのをご存知ですか?
実際に魚を釣るまでは ”サンダー掛けて整えるとかもうちょっとやり方あったでしょ😩 ”という批判の対象なのですが、オサカナが釣れた途端に ”やっぱノーマンはコレがないとね😎 ”といった具合に溺愛の対象になるなど、人智を超えた不思議な力が秘められているのです。
プラドコになってこの魔力が消えてしまったのは残念ですが、新旧モデルの判別要素のひとつでもあるのでそれはそれでヨシとしましょう(何が?w)
おわりに
個人的にはあまり思い入れはありませんが、あれこれややこしいことを考えなければ普通に釣れちゃうルアーであることは間違いありません。
事実、何人ものガチアングラーの一軍ボックス登録されているのを知っていますし、今でもカタログ落ちせずに残っている現役選手であることが何よりの証明でしょう。
プラドコになってからノーマンの価格帯が一気に跳ね上がったのでちょっと高いイメージになりつつありますが、それでも国産ルアーに比べたらまだまだ安い部類なので、気になった人はレイトフォールクランキンのお供として探してみては?
それがハズレのタマだったとしてものんだくれは関知しませんけど😂