マグナムサブワート Magnum Sub Wart / ストーム Storm

 

90年代後半、突如として飛び込んできたストームのラパラへの移籍ニュースは良くも悪くも衝撃的でした。

 

その辺りの詳細を語り出すとキリがないので割愛しますが、ネガティブな反応がほとんどを占める中、ポジティブな事もありました。

 

そのうちの一つが今日のゲスト、サブワートがラパラになって初めて誕生したという事でした。

 



 

 

サブワートはミッドワートと共に新生ワートシリーズの構成員として追加された全くのブランニューモデルです。

 

ウィグルワート、ミッドワート、サブワートの3モデルは共通のボディを持ち、リップを替えることによって全く違ったモデルにすることが出来るという、生産合理化に対応した商品として世に放たれました。

 

ミッドワート Mid Wart / ストーム Storm

 

新生ストームがデビューした90年代後半、ラパラはアイルランドからエストニアに生産拠点を移す直前でもあり、生産の効率化が重要項目だったんでしょうね。

 

その結果、出来上がってきたウィグルワートは旧ストーム時代の面影すらない全くの別物になってしまい、世界中のストームファンからの大ブーイングとなったのは皆さんご存知の通り。

 

でもラパラ側も批判を覚悟していたんじゃないかと思わせるフシもあったんですよ。

 

だって当時のパッケージにはこんな事が書いてあったんですもん。

 

 

 

” Always Think Like a Fish, No Matter How Weird it Gets ”

 

文面通りに受け取れば、例え周りが我々を変人と思っても常に魚の気持ちになって考えてるよ的なニュアンスになるんですが、読み方によっては “変な感じになっちゃったけど、俺たちもいろいろ考えたんだからさ… ゴニョゴニョ” 的に、旧ストームの主力商品をことごとく変えてしまった事に対する先制の言い訳に読めなくもないんです😂

 

あーコトバってムズカシイ。

 

 

 

さてさて話を戻しましょう。

 

サブワートはその名前が示す通り、サブサーフェス攻略用のウェイクベイトとして開発されました。

 

潜行深度はカタログ表記で30cm。

 

ワートの名を関するモデルとしては最も浅いレンジに対応したモデルです。

 

釣れ釣れのウィグルワートをミッドレンジだけの武器にしておくのは商品価値的にももったいないというラパラの算盤思考が見え隠れしてますが、その算盤は我々にも大きなメリットをもたらしてくれました。

 

 

 

そのメリットとはサイズバリエーション。

 

ウェイクベイトなのに3つもサイズを出してくれたんです。

 

全くの新モデルであることに加えて、ウェイクベイトなのにいきなり3つもサイズ展開するメーカーは後にも先にもラパラだけでしょう。

 

あのワンマイナスですら4つのバリエーションが揃うまでに8年を要しているんですから。

 

それだけラパラはストームブランドに気合を入れていたという証拠でもあります。

 

あ、参考までに3モデルのスペックを置いておきますので肴にするなりオカズにするなりご自由にどうぞ。

 

サイズ全長自重
マグナム65mm16g
レギュラー53mm9g
ミニ40mm5.5g

 

 

 

そんな具合に誕生までは色々あったサブワートですが、結論から言うと出来の良いウェイクベイトに仕上がっています。

 

いや、かなりの完成度だと言ってもいいでしょう。

 

まず動き出しのアクションレスポンスがスバラシイ。

 

ほんのわずかに凹アールが付けられたエッジの鋭いリップがきっちり仕事してくれるのでリトリーブ開始とともに瞬時に泳ぎが立ち上がり、どんなに狭いプロダクティブゾーンも逃さないぞ!的なヤル気に満ちています。

 

 

 

約60度に設置されたリップが生み出す泳ぎは、かなりの大振りローリングアクション。

 

そしてリトリーブスピードが上がるにつれウォブリングの割合が大きくなって、強く水をかき回します。

 

そんなストロング攪拌ヤロウなのに、巻き抵抗がそれほど大きくないところもポイント高いですね。

 

 

 

このアクションに行き着くまでには相当な手間と時間がかかったんだろうなぁと思わせるワイヤーのベンドワークが泣かせてくれます。

 

サブワートはサイズによってフィーリングが違うんですが、それぞれを説明し出すとキリないので今日は割愛。

 

いずれ各モデルごとに記事として詳細をポストする予定ですので、いつになるかわからない記事ポストまで気長にお待ちください😁

 

 

 

ボディ内部には横方向にだけ移動を許されたラトルが幽閉されており、アングラーにも聞こえるほどの音量でけたたましく鳴いてくれます。

 

音質はかなりのハイトーン系サウンド。

 

ペイントモデルはいわゆるボーン系素材になっているのでボーンマニアにとってはシビれるサウンドに調律されています。

 

ジャパンオリジナルとして販売された反射インサートのクリアカラーは素材が違う関係上、音質も変わりますが、アレはアレでワンマイナス的中低音が楽しめて捨てがたいんですけどね。

 

しかしこのフロッグカラーはキモいですねー。

 

目のプリントのタッチもサイコパスなケロロ将軍ちっくでタマりません。

 

当時はフロッグカラーばっかり売れ残ってましたが、今ではフロッグが高価取引対象になってるなんて、皮肉なもんです。

 

 

 

フックは前後ともカドミウムの防錆トレブル#4が装着されていましたが、時期によって普通のブロンズトレブルのものもありました。

 

このままでも特に問題はないんですが、のんだくれの実釣バージョンは水面画像のように前後とも#2のフックに交換しています。

 

フックをサイズアップするメリットはファーストリトリーブへの追従性が格段に上がる事。

 

ほとんどの場合はノーマルでも不満はありませんが、超高速でバーニングするといくら完璧にアイチューンをやっていてもトビウオになっちゃうんです。

 

フックを大きくする事で水の抵抗が増え、結果的にそれがスタビライザーの役目も果たしてくれます。

 

それとリアが重くなることで慣性モーメントが作用するのか、ケツの振りが大きくなるんです。

 

ケツ振り増大に関してはルアーによっては逆効果になるケースもありますが、少なくともこのマグサブワートに関してはどハマりなので、もし普段から使っている方がいたら一度試してみてください。

 

でもその際、ショートシャンクで懐が深いディープスロートのフックを使わないとフック同士が干渉して釣りにならないのでご注意を。

 

ちなみにのんだくれはイーグルクローの#954を使っています。

 

それと、ディープスロートという単語でよからぬことを思い出してしまった人は先生が良いというまで廊下に立ってなさい。

 

 

 

ボディ側にネームプリントを入れずにリップにエンボスモールドを入れるのが初期のラパラストームの掟です。

 

これはこれでオッケーですが、出来る事ならロゴと同じようにOの部分にもライトニングマークを入れて欲しかったですね。

 

 

 

サブワートは初期ラパラストームの中ではダントツの優等生でしたが、新生ウィグルワートがあまりにも不評だったのでその煽りを喰らってしまい、サブワートもウィグルワートと一緒にワゴンという名のゲットーに送られるという悲しい運命を辿る事に。

 

でもその後、収容所送りを免れたワート達が頑張ったお陰で、近年になってラパラストームの初期アイテムの実力が見直されてきています。

 

今となってはなかなか見つからない絶滅危惧種ではありますが、もしどこかでアンネフランクのようにひっそりと暮らすサブワートを見つけたら、迫害の時代は終わったんだよとフィールドに連れ出して自由を堪能させてあげてください。

 



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