あのラパラも認める新興ブランドが放つボトムクローラー ゴルディート Gordito / 13フィッシング 13 Fishing

13フィッシング 13 Fishingクランクベイトシャローダイバー

のんだくれは、品質や性能とは全く関係のない要素にハートを射抜かれて反射的にモノを買ってしまうという慢性疾患を患っています。

特にルアーのネーミングは製作者の遊び心が盛り込みやすいのか、ふざけた名前が多いので困ります。

かつてペイチェックベイツのカラーチャートに “Boat Payment (ボートローンの支払い)” というカラーがありましたが、あれもボート代の支払いが出来るぐらい賞金を稼げるカラーだよという意味でしたし、他のルアーにも製作者の思惑が見えてクスッとしてしまうものがたくさんあるので、それほど欲しいと思わないのにポチってしまうという悲しい状況に😭

この13フィッシングのゴルディートはそんな条件反射によってのんだくれの元にやってきたクランクベイトです。

13フィッシングと聞いてもピンと来ない方がほとんどだと思いますが、このブランドは2015年に米国DQCインターナショナルという会社によって立ち上げられた新興ブランドです。

大手小売チェーンのターゲットやアウトドアギア小売チェーンのギャンダーマウンテンなどでキャリアを積んだマイク・サリバンが会社を興すや否や急成長を遂げ、2019年にはラパラ/ノーマークが株式の49%を取得するなど今米国で最もホットなタックルブランドと言われています。

米国の会社でありながらデザインラボを台湾に置くなど、従来のタックルブランドとは一味違った展開を見せているのも注目されている理由の一つ。

設立からたった4年しか経っていない会社にラパラが出資するということは、逆に言えばラパラにとって将来間違いなく脅威になるので、買収できるうちにコントロール下に収めておこうという思惑が少なからずあったということ。

つまりそのぐらい将来性のあるブランドなんです。

そんな13フィッシングが2020年に発売したのがこのゴルディート。

スペイン語で “太っちょ” の意味を持つこのクランクは、見ての通りウィグルワートタイプのクランクベイトです。

派手なウォブリングアクションで泳ぐウィグルワート系クランクは以前からいくつかのブランドが出していましたが、昨今の旧ストーム製ウィグルワートの異常なまでの価格高騰を意識してか、各社から一気に発売されましたね。

そんなクランクをなぜ反射的にポチってしまったかというと、それはこのルアーのカラー名にシビれてしまったから。

そのカラー名とは、Day Old Guac (デイオールドワック)。

デイオールドワックは直訳すると1日古いワカモレ。つまり “作った翌日のワカモレ” のこと。

ワカモレ Guacamole はアボカド、ライムジュース、パクチー、ハラペーニョなどを石の臼ですり潰したメキシコの調味料で、トルティーヤチップスのディップとしてよく知られています。

ワカモレは本来アボカドの鮮やかなグリーンが映える食べ物なのですが、塩を入れるためにどうしても時間経過と共に酸化して変色してしまいます。

このゴルディートの色はまさに二日目のワカモレの色。

パーティで散々飲んだ翌日の朝、二日酔いの頭を抱えながらキッチンに水を飲みに行くと、散らかったテーブルの上に残ってるアレです😁

もう色もこのまんま。

このカラー名を見た瞬間、ニヤッとして反射的に人差し指が動いてしまったというワケなんです😂😂😂

普通のメーカーだったらブラウンクローフィッシュとか名付けるところを古くなったワカモレに例えるあたりのセンスは最強ですよね。

という具合で、カラー名ありきで注文したルアーだったんですが、試しに投げてみたらこれが悪くないんです。

ウィグルワートに追いつけ追い越せでデザインされているので外しようがないと言えばそれまでですが、それを差し引いてもなかなかの出来。

まずキャスタビリティが素晴らしい。

本家であるウィグルワートとほぼ変わらない重量(実測10.5g)にも関わらず、ワートよりも飛び、しかも飛行軌道が素直。

おそらく空力的にもボディ形状を検証したんでしょうね。

飛距離でおおっ!と思わせたところに今度はこのリップが魅せてくれます。

アクションは予想通り典型的なワイドウォブリングですが、本家よりも明らかに巻き抵抗が少ないのです。

それなのにしっかり潜り、左右へ蛇行するアクションも忘れてません。

ただこのクランクが表記通りに7フィート潜ってるかどうかはちょっと怪しいですね。

感覚では16lbモノのフルキャストで1.5m前後といったところでしょう。

同じくウィグルワートのフォロワーとして人気があるスプロのロッククローラーの潜行深度がカタログ値で14フィートなので、ゴルディートは同じ土俵でぶつかることを避け、主戦場をシャローに絞ったのかもしれません。

ウィグルワートのフォロワー?トンでもない!全く違うコンセプトで開発された低水温期ボトム攻略クランク ロッククローラー55 RkCrawler 55 / スプロUSA Spro USA
ルアーって実際に使ってみないとホント分かんないですよね。 その形状からある程度の動きは想像できるものの、泳がせてみたら予想外の動きでアゴが落ちるなんてのは決して珍しいことじゃありません。 もちろんそれは良い意味でも悪い意...

それと、これはたまたま当たりだったのかもしれませんが、パッケージから出した状態ではまともに泳ぎませんでした。

クランクベイトの使用前トゥルーチューンは舶来国産を問わず必ずしなければならないものとはいえ、こいつの不誠実っぷりはなかなかのモノでした😂

しかし一度キメてしまえば泳ぎは文句なし。

ゴリゴリのワートヘッズ達がコレの実力を認めているかどうかは分かりませんが、手頃な価格でウィグルワートの要素が欲しい人には、あーコレいいじゃん!となるのは間違いないでしょう。

事実アメリカでは相当売れているようです。

そんな具合に性能上で頑張っているゴルディートですが、外見もなかなか手が込んだ仕上がりになっています。

エイリアンアイにしたり、エラのラインを深く掘り下げたり、ザリちっくな凸凹フィニッシュにしたりとオリジナリティを出すことにも手抜きがありません。

以前どっかの記事でも書きましたが、かつて “人形は目が命です” というCMがあったように、ルアーも目が命です。

タックルショップで目が合った時点で気に入られなければ、いくら実力があっても手に取られることすらないという厳しい現実が待っています。

魚を釣る以前に、そのメンチバトルに勝たなければルアーに栄光はないのです。

その点、このゴルディートはオリジナリティとアングラーの許容範囲ギリギリのラインですが、まあ許せるレベルでしょうね。

フックは前後ともショートシャンクを採用。

この辺はワート系クランクの基本でもありますね。

うっすらと見えている通り、ウェイトも基本に忠実な2ボールスタイルを採用し、ラトルサウンドは中低音系に調律されています。

反射的にポチったのでよく見てませんでしたが、ボーン系素材を採用したモデルもあるんでしょうか。

そんないい感じのクランクなんですが、肝心のネームプリントがアウトでした。

ベース色とネームの色が同じだから読めやしねぇ😤

これ画像編集で色調を変えたのでギリギリ読めるようになってますが、肉眼ではほとんど読めません。

読めないのはおそらくこのカラーだけだとは思いますが、ネーミングが秀逸なだけにちょっと詰めが甘かったですね。

千葉のプロショップ藤岡の親父さんの名言に「パドルテールグラブは汚い色ほど釣れる」というのがありますが、この言葉はハードベイト、特にクランクベイトにはドンピシャと言っていいほどハマると思います。

ハードベイトはベイトフィッシュっぽいものや流行りカラーにどうしても引っ張られてしまうので仕方ない面もあるんですが、そういう時こそ逆張りで他の人が使っていないカラーを投入するのも一つのテ。

ということで、のんだくれはどこかのメーカーが【二日目のカレー色】を出してくれるのを祈っております。

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