既に沢山持ってるのに、見るとついつい買っちゃうルアーって誰でもあると思います。
気がついたらカゴに入ってた、みたいな。
のんだくれの場合はコレ、レーベルのクローフィッシュ。
何をかくそう、クローフィッシュ歴はチャグバグに次いで長いんです。
外見がザリガニのまんまなので単にカワイイというのもあるんですが、のんだくれはこの目に弱いんです。
この円らなマナコで見つめられたら最後、腰砕け状態に。
このルアーには本物のザリガニから型取りしたという例の逸話がありますが、レーベルは外見以外にもアングラーを狂わせる【何か】を憑依させたんじゃないかと思えるほど妖力に満ちています。
毎年発売されるレーベルの新製品の陰に隠れてますが、コイツったらナニゲにバリエーションが多いのをご存知でした?
浮沈大小は言うに及ばず、ダブルディープリップ、ファストラックリップ、SSRリップ、スクエアビル、固定ダブルフック装備のスナッグプルーフシンカー、サーモンやウォールアイ用、もちろんあのカラーセレクター対応色まで出されてました。
日本では初心者用ルアーというイメージゆえ、マイナールアーの位置から脱却できないビミョーなルアーですが、レーベルがそれだけチカラ入れてるってことは釣れるって事なんです。
事実、ウォルマートなど量販店の釣具売り場ではラトルトラップ、ラパラ、フラポッパーなどと同様に、いまだに高い生息率を誇っています。
だからついついカゴに放り込んじゃうんですよね😭
このモデルはウェイト付きのダブルディープリップを持ったシンキングバージョンです。
沈むスピードをスローに調整されているので、1秒に約1フィートのスピードでジャック・マイヨールの如く静かに水底を目指します。
ボトムではリップの先端だけでスタンダップする、いわゆるザリの威嚇姿勢を実現。
そこに威嚇する相手が居ても居なくても、リトリーブを止めるだけでファイティングポーズを取ってくれる勤勉なヤツなんです。
もう何十年もコレを投げてますが、その姿勢と挙動を見る度にレーベルってスゲーなー… と感心してるのんだくれは進化してないって事なのでせうか。
緩み防止の為か、ヒートンの両脇にはこーんな出っ張りがあります。
これを見る限り、このヒートンは後からネジ込まれたのではなく最初から鋳込まれたものであることが分かります。
この手法はレーベルの他のルアーにも散見されましたが、ごく短い期間でまた普通のネジ込み式に戻っています。
やっぱり手間が掛かるんでしょうね。
しかし見れば見るほどシビれるボディですね。
ハサミの間をブランクにしたデザイナーのセンスには脱帽です。
たったこれだけの事ですが、パチの追随を許さないぶっちぎりのクオリティに仕上がったんですから。
そういえば80年代にはザ・プロデュサーズがその名もザ・クローダッドというコイツのパチを発売しましたが、アレはこのレーベルクローフィッシュから型を取ったというのがヲタの間では共通認識となっています。
レーベルクローフィッシュを型取りして作られたのがプロデューサーズのクローダッドで、それを型取りしてブレイズのディッチバグが出来たとの説がある。
並べてみると確かに少しづつモールドが甘くなっている。
同様の流れはグリフター⇨グリップクランクにもみられるのである意味パチの王道なのかも。 pic.twitter.com/m7MVF3m0qI— ルアー千一夜☆公式 (@lure1001) January 8, 2022
コピーの可否はともかく、”原型” とされたという事は、それだけレーベルのデザイン力と成形技術が素晴らしかったということでしょうね。
裏側の処理も天才的。
折り畳まれたシッポの段差まで緻密に金型に起こしたのはデザイナーとしてのプライドでしょうね。
ちなみにボディの中にはコロコロと静かに鳴くラトルを内蔵。
お世辞にもラウドとは言えませんが、こういうルックスだけに静かな方がリアル感がありますね。
しかし中には鳴かないヤツも居たりします。
それが最初からノンラトル仕様なのか、はたまたラトルが固着してしまったのかは謎ですが、その音を聞き分けるのもザリヲタの楽しみだったりします。
フックは前後ともショートシャンクのラウンドベンドを採用しています。
時期的には80年代後半ですね。
これ以前は例のカーブドポイントのイーグルクローを採用してますが、このザリガニに関してはこっちのフックの方が相性イイですね。
あ、それはフッキング率の話ですよ。
シンキングのクランクベイト、しかもザリガニルックとなると使いにくそうなイメージがありますが、実際に使ってみるとそのシェケナベイベーなパフォーマンスに驚くはずです。
アクションはボトムに着いたらスローに30cm刻みのストップ&ゴーを繰り返すだけ。
するとこのザリ君はハサミを振りかざしながらボトムをツンツンして泳ぎます。
で、巻くのを止めるとボディの慣性と自身が起こした水流によって、少しの間その場でユラユラ揺れるんです。
これ、もうお気づきの人もいると思いますが、ラバージグ+クロー型トレーラーの動きなんですよね。
それもハサミに浮力があるトレーラーの。
アタリはリトリーブを止めてポーズしている間に明確にコン!と出ます。
トリプルフック×2なので根掛かりしやすいかと思いきや、ロングリップ&スタンダップ姿勢で意外なほど根掛かりしません。
さすがにウィード絡みでは辛いですが、のんだくれはパラ葦ぐらいならラバジよりもコレを先に投げちゃうぐらい。
さすがにこのシンキングモデルは生産を終了しているので中古屋でもなかなか見つかりませんが、フローティングモデルのリップにウェイト咬ませば同じ動きが出せるので、ザリガニが冬眠準備を始めるこの時期に是非試してみてくださいな。
コメント
1. ひで September 22, 2010 01:49
造形も雰囲気もすごく好きなんですけど、なぜか今まで試した時には全然釣れなくて、自分の中では釣れないルアーに格付けされていました。^^;
でもこれだけ有名なんだから釣れないわけがないんですよね。
ちょっとマジで使い込んでみます。( ̄ω ̄ゝ
2. マイザー September 22, 2010 08:12
去年ワゴンで100円だったのでワゴン内のザリガニ全部買いました。
現行のディープばっかりいっぱい増えました。
リップまでザリガニっぽいってもうね…。
数年前にプロデューサーのパチでプチ連発したのでそっちも好きです
3. イカメガネ September 22, 2010 12:35
レーベルのザリ、いいですよねー。
このデザインが大好きです。私のフェイバリットはダブルフックのシンキングです(ただし観賞用限定)。
もう見てるだけでうっとりです。
4. のんだくれ September 22, 2010 17:37
ひでさん
コイツはクランクベイトだと思うと使いづらいルアーなんで、基本ジグと思ってください。
分かりやすいのはフローティングをキャロライナリグで使うやり方です。(笑)
5. のんだくれ September 22, 2010 17:38
マイザーさん
それはビッグクローですね。
しかし100円て、そりゃ全部買いますよね。
6. のんだくれ September 22, 2010 17:39
イカメガネさん
あのダブルフックのヤツはもう芸術品です。
使うモノではありません。(笑)
7. はちこ October 03, 2010 05:58
コレ探してたんです。
シンキングはもう廃盤なんですね…
↑コメイカメガネさんのダブルフックシンキング
良い思い出がとても詰まってます。
とても羨ましいです。。
ともあれUPありがとうございました。
8. のんだくれ October 03, 2010 16:07
はちこさん
コメントありがとうございます。
このザリガニには皆さんなにかしらの思い出があるみたいですね。
でも意外とコレで釣った事ない人が多いんですが。