近年盛り上がっているマグナムクランクベイト。
マグナムクランクベイトの土壌は元々あったものの、スキートリースのSKTマグナムの登場で一気にメジャーになりました。
やはりあの質量ならではの大きなヴォルテックスはバスにとっても、バスフィッシング市場にとっても放っておけないって事ですね。
しかしその大きさゆえ、長時間に渡るクランキングはかなりの重労働。
もうちょっと軽く巻けるマグナムクランクはないのかなーと思っていたところ出会ったのがこのHU-70Lでした。
実はこのHU-70L、のんだくれにとっては初めてのハイドアップ商品。
ハイドアップ自体は以前から気にはなっていたんですが、なかなか入手する機会に恵まれませんでした。
が、昨年琵琶湖で同船した人から勧められて巻いてみたところ、「あれ?結構いいじゃん」となり早速ポチったワケです。
ボディ長72mm、リップも含めると97mmというサイズは、現在市場に出回っているマグナムクランクに比べるとやや小さめかもしれませんが、それでも十分なマグナム感を持っています。
実測38.5gのウェイトも、比良おろしの吹き荒ぶ琵琶湖でも負けずにしっかり飛ばせるスカッドミサイルなバランスにまとめられています。
このHU-70Lのウリは、しっかりと質量が確保された横幅のあるボディ。
比較のストライクキングKVD8.0の最大幅が29mmなのに対しHU-70Lは32mmと、典型的なショート&ファットのクランク体型になっています。
一般的なマグナムクランクはそのボディ体積ゆえ、どうしてもアクションのキレがスポイルされがちですが、HU-70Lはこの体躯をモノともせず、キビキビとしっかりウォブリングするところがナイス。
マグナムクランクは比較的ローリングアクションのものが多いので、ウォブリングアクションが強めのこのHU-70Lは貴重な存在ですね。
その泳ぎを司るのがこのクランクしたリップ。
ヤル気があってシャローに出て来ているバスを狙うシャロークランクと違って、ディープクランクはある程度プレッシャーのあるバスを戦略的に狙っていくという側面もあるので、アクションがブリブリと派手すぎても場を荒らすだけだし、かと言ってナチュラル過ぎても用を成さないなど、セッティングがなかなか難しいルアー。
その点、このHU-70Lは7:3ぐらいの比率でアピール寄りにセッティングされているので、アクションはもちろんのこと、巻き心地もしっかり満足レベル。
長時間巻き続けなければならないクランクベイトでは巻き心地は重要ですからね。
このクランク形状リップを採用したディープクランクはノリーズのメータークランクなど過去にもいくつか存在しましたが、そのどれもが比較的スリムなボディのものばかりでした。
このHU-70Lの様に恰幅の良いクランクベイトにこの形状のリップが採用されたのはもしかしたら初めてかもしれませんね。
しかしこのリップを採用するメリットは泳ぎだけではなく、キャスタビリティにもはっきり表れます。
クランクしたリップには空力上の整流効果もあるのか、持ち前のウェイトの重さもあって、ロッドを軽くひと振りするだけでありえないほどカッ飛ぶんです。
セッティング次第ではUS16lbナイロンでも50mぐらいは飛ぶので、ガキの頃に戻って “釣れない時の遠投大会” を開催することもできちゃいます。
HU-70Lの重心は二個の大型ラウンドウェイトによって作り出されています。
あえてサイレント設定にしているのもディープのタフバスを必要以上にスプークさせないための配慮でしょうね。
のんだくれが一番最初にこのHU-70Lを手に持った時、ボディの大きさの割りに重すぎるんじゃないの?と思いましたが、大きな質量を持つ重量級のボディが水中でグワングワンと動く時のディスプレイスメントは軽量ボディの比ではないので、おそらくその辺りも算段に折り込まれているのではないかと。
でもこのカラーを選んだのはちょっと失敗でしたね。
単に見た目だけで反射板入りを選んでしまいましたが、このルアーの有効レンジを考えると余程のクリアウォーターでない限り、反射板はあんまり効果がない様な気がします。
ソリッドのパープルとか、膨張色のホワイト系、もしくは明滅効果を狙ったブラックバックチャートあたりがド定番ですがハズしはないんじゃないかと。
ま、好みの問題ですけどね。
フックハンガーは前後とも横アイを採用することで前後フックが干渉しない様になっています。
パッケージに貼られたステッカーによるとノガレスのフックを採用しているとのことですが、おそらくこれはフックの性能云々以前の、大人の事情によるものでしょう😁
そんな具合でなかなか優秀なクランクベイトなんですが、最悪なところもあるんです。
それがこのネームプリント。
もう見て分かる通り、これだけ大きなキャンバスがあるにも関わらず、小さくちょこんとスタンプされてるだけ。
しかも文字が気泡で潰れちゃっててヤル気ナッシング。
さらにブランド名のスタンプも見当たらず。
せっかくこれだけのパフォーマンスのクランクベイトに仕上げて来てるのに、最後の詰めが甘過ぎ。
画竜点睛を欠くという諺をこんなところで実践してどうする?
ミブロのグッピーのところでも書きましたが、このルアーが単体で海外に出た時にこんなショボいスタンプしかなかったらアイデンティファイできないだけでなく、もしかしたらビッグビジネスも逃してしまいかねないという危機感がない。
ということで、もうすこしがんばりましょう。
ハイドアップのルアーは量販店にも入荷されてるので比較的簡単に入手できますが、量販店だけにあっという間にワゴンに流れ、その後再入荷ナシなんて事が考えられるので、気になる人は早めにゲットしておいた方がいいかもしれませんね。
のんだくれもこのHU-70L以外のハイドアップ商品で気になってるのがいくつかあるので、試して後日記事アップします。