キールヘッドが小さくなっただけでしょ?と思ってるなら大間違い!ブチ込み系水面アングラー必携プラグ キールヘッドタイフーン Keel Head Typhoon / B.P. Bait

トップウォーターバスポンド Bass Pondフロッグ・ウィードレスベイトペンシルベイト

夏になると無性に投げたくなるルアーってありますよね。

それらはバズベイトだったりパンチジグだったりハネモノだったりと人によって様々ですが、それらのルアーに共通しているのは ”暑い時期にイイ思いをした” ということ。

今日のゲスト、キールヘッドタイフーンは毎年夏においしい思いをさせてもらっているルアーです。


キールヘッドは東京目黒の老舗ショップ、バスポンドが運営するブランド、B.P. Baitがリリースしたブチ込み系トップウォータープラグです。

90年代に発売されたキールヘッドのダウンサイジング&発泡素材バージョンとして1999年?に登場しました。

 

キールヘッド Keel Head / B.P. Bait
ショップ発信型ルアーの花形的存在 日本にはいくつものルアーメーカーが存在していて、それらが日々しのぎを削っているのはみなさんご存知の通り。 しかし一般的なメーカーとは違って、ショップ主導でルアーを制作して販売するというスタイルもあります。 ...

 

既にキールヘッドの破壊力にノックアウトされていたのんだくれは、デビューと同時にソッコーでゲット。

当時は仕事帰りに目黒で乗り換えて武蔵小山へ向かい、駅前再開発前の安っすい飲み屋街でバスポンドとGill(現在は五反田へ移転)での戦利品を肴に一人飲みして帰るのが土曜日のルーティンでしたw

 

キールヘッドタイフーンは全長68ミリ、自重17gの、いわゆるゴーハチサイズのルアーです。

オリジナルのキールヘッドだとちょっと大きいなぁと思う状況が度々あったので、このルアーの登場を知った時にはYESSS!!とガッツポーズしたもんです。

 

なにしろこのキールヘッドタイフーンにも兄貴譲りのスピンドルシェイプとVカットヘッドが受け継がれているので、テンション上がらないワケはありません。

キールヘッドを使ったことがないアングラーにはピンとこないかもしれませんが、キールヘッドのV字ヘッドとスピンドルシェイプはこれで天下を取ったと言っても過言ではないほどパワフルな要素であり、当時霞の水面アングラーの間でパワーワードとして知られていた ”ズボッと入れてネチネチと” 通称ズボネチを定着させた主犯でもあります。(今じゃもうその言葉自体が死語となりつつありますが😭)

この形状の良いところは、葦やゴミの間にノーズを突っ込ませるとルアーの持つ浮力とV字カットされた形状によりルアーを上へと押しやる力が発生し、見事にスルリと抜けてくれるところ。

障害物がボディの最も太い部分を超えると、ツルンと抜けるようなイメージ… 例えが汚くて恐縮ですが、硬く締まった大物のウンコがツルン!と出てくるような爽快感すらあるのです。

フロッグなどの中空ウィードレスベイトでもスタックすることなくカバーは抜けてくれるのですが、中空ベイトは凹んでしまうのでカバーを抜けた途端にその反動で手前に飛んできてしまうことがありますよね。

ところがキールヘッドはフロッグのようにボディが潰れることがないので、おいしいポイントも飛び越すことなくしっかりとネチることができるのです。

 

そしてそのすり抜け性能をさらに高めているのがこのウィードレスシステムです。

一番引っ掛かりやすいフックハンガーをスリットの内部に収め、フックポイントをボディにピッタリと添わせることで最強のスナッグレス性を発揮します。

オリジナルモデルであるインジェクションのキールヘッドはボディ自身の重さによって垂れさがったブッシュなどをぶち抜いてカバーの奥の奥を攻めることができ、タイフーンは発泡素材ゆえの軽快さでソフトランディングができるというそれぞれの特徴を邪魔しないところもナイスポイント。

それゆえフック交換の際にはサイズを合わせないと本来のパフォーマンスを得られないので注意が必要です。

フック形状からするとマスタッドの#428180あたりが適合しそうですが、正解はバスポンドの松井さんに電話した方が早いですねw

しかしそんな最強のパフォーマンスであるがゆえにマイナス面が際立ってしまっているのもこのタイフーンの特徴。

真っ先に挙げたいのは、本来装着されているテールのブレードが死んでいること。

 

ウッドフッカーにも装着されている三角ブレード。B.P. Baitのルアーにはこのブレードが汎用として多く使われている。

デフォルトではこのようなB.P. Baitのロゴマークがプレスされたアルミ製三角ブレードが装着されているのですが、キールヘッドタイフーンはこのブレードとボディとの相性がよろしくないのです。

その理由はボディの軽さとブレードの軽さ。

オリジナルのキールヘッドはボディに重量があり、それ自体が水中でトルクフルなアクションをするために軽いアルミブレードでもしっかりとフラップ効果を発揮できるのですが、タイフーンはボディが軽いのでブレードはただボディに引っ張られているだけ。

回転もしなければ、アルミ素材ゆえニッケルクロームのようなフラッシング効果も望めません。

おそらく松井さんはカバーからの抜けを考慮して、もしくはもっと他の意図があってタイフーンにも三角ブレードを装着したんだと思いますが、キールヘッドタイフーンが持つポテンシャルを考えるとこれは勿体なさ過ぎ。

なのでのんだくれはトマホークブレードに交換してテールでのアピールを増強しています。

 

トマホークブレードを装着している最大の理由は、ルアー回収中にブレードが水面を割ってもちゃんと回転してスプラッシュを飛ばしてくれること。

つまりバズベイト的な効果が期待できるのです。

コロラドやインディアナブレードは水面を割った途端に回転をやめてしまうので、水面を割ってもしっかりと回転を続けてくれるトマホークブレードは大きなアドバンテージになります。

そしてベアリングスイベルではなく通常のヨリモドシを使い、リング接続ではなくリベットでかしめているのは回転時のバイブレーションを大きくしたいから。

 

このあたりの理由を説明し始めるとエンドレスになるので今回は割愛しますが、気になる方はいろいろ試してみてください。

このブレードにすることによって、カバー周りでのパフォーマンスを落とさずにオープンウォーターでも楽しく使えるようになります。

特にポーズの状態からスィープ気味にジャークするとブレードが細かい泡を撒き散らしながら30cmほどダイブするので、リリーパッドの葉っぱの下にバブルを撒き散らしたりとか、カバーを攻め終わった後にブレイクラインで避暑しているバスを振り向かせたりとか、攻め方のバリエーションを大きく増やすことができます。

 

その次のマイナスポイントは、発泡素材の耐久性が低いこと。

プラスチックと同等の耐久性を発泡素材に求めるのは酷かもしれませんが、それでも弱すぎるのです。

最近モノのキールヘッドを使ってないので(今も現役で発売されてる?)今はどうなってるのかわかりませんが、当時ものはボディがフックで簡単に削れてしまうのはもちろん、ぶつけると簡単に穴が開くほどの強度なので、果敢に攻めれば攻めるほどルアーの寿命が縮まるという悲しい結果に。

しかも中には塗膜が剥がれたところからボロボロと素材崩壊が始まる個体もあったりして、フック交換でヒートンを抜いた後の処理にも気を遣わなければならないケースも。

今は改良されてるのかもしれませんが、通常のルアーとは違ってカバーなどにブツけることが多いルアー、しかもめちゃくちゃ釣れるルアーだけにちょっと寂しいもんがありますね。

 

カラー名は忘れちゃいましたが、このボーンベースのピンクバック/サイドフリッターにはめちゃくちゃお世話になりました。

ボーンという鉄板カラーに視認性の高いピンクははっきり言って最強。

クラシックなスケールパターンとラメフレークとの相性も文句なしですね。

 

そしてこの堂々たるネームですよ。

これだけでアルコールが進みます。 もう飲めませんけど😭

素材自体が弱いので、フックサークルがつかない背中に入ってるのもポイント高いですね。

 

今もキールヘッドタイフーンが販売されているのかどうかはわかりませんが、もしどこかで出会ったら是非ともゲットしてほしいアイテム。

のんだくれのようにブレードを交換せずとも、本来のパフォーマンスだけでも値千金であることはマチガイナイので、見つけたら躊躇せずにレジへダッシュしてカバーに投げるべし。

個人的にはタイフーンサイズのインジェクションが有ったら言う事ないんですけどね😁

 


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