謎が多い日本専売モデルだが実はかなり使える実力派スイッシャー ベビーザラバックワード Baby Zara Back Ward X0366-SP / ヘドン Heddon

シングルプロップスイッシャートップウォーター

海外ルアーのコレクションをやってるとスペシャルモデルの壁に必ずぶち当たります。

スペシャルモデルとは、特定の地域だけで販売されたリージョナルモデル、商社やリテーラーが発注したカスタムカラーなどその素性にもいろいろありますが、それらに共通しているのは、”極端に情報が少ない” ということ。

日本のブランドならともかく、海外モノは情報が少ないので、どんなカラーがあるのかなど収集に必要な情報がなかなか得られないのです。

今日紹介するベビーザラバックワードもそんなスペシャルモデルのひとつです。

 

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ベビーザラバックワードとは

ベビーザラバックワード(以下バックワード)は2010年頃に日本国内限定で販売されたヘドンのトップウォーター。

その名前からお分かりの通り、ベビーザラのボディを流用した派生モデルのひとつです。

同じくベビーザラボディを使ったウンデッドベビーザラ Wounded Baby Zara も同時期に発売されたので、見覚えがある方もいることでしょう。

実はこのバックワード、ある日突然関西の量販店に190円という破格の値段で大量流出して局所的に話題になりました。

のんだくれはこれが販売されていた事を知らなかったのですが、某関西エグリの大御所wから大量に送りつけられて来たことで初めてその事実を知りました。

そしてこのモデルも数々の謎を秘めているのです。

 

ベビーザラバックワードのサイズ・重さ

バックワードはベビーザラと同じ67ミリ。3/8oz.

しかしプロップが装着されている分重量増となり、実測では12.5gとなっています。

しかし実釣ではこのサイズ感がバッチリはまり、非常に使いやすく仕上がっているのです。

 

ベビーザラバックワードの仕様・特徴

ベビーザラ(上)との比較。そのままボディを流用した事が分かる。

バックワードの最大の特徴は何と言ってもこのベビーザラボディでしょう。

ヒートン位置まで寸分違わぬ完全流用なのが分かります。

ベビーザラはノンウェイト構造でリグのみでバランシングされているのですが、バックワードも同様のノンウェイト。

しかし流用ながらもベビートーピードの直ペラをそのまま移植したことにより、シングルスイッシャーとして奇跡の進化を遂げています。(アクションについては後述)

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ベビーザラバックワードにまつわる謎

しかしこのルアーには謎が多いのです。

まず商品コードに ”SP” が付された日本専売モデルにも関わらず、なぜ190円という価格で投げ売りされたのかということ。

既存のルアーのオリカラ発注よりも遥かに手間も時間もかかるスペシャルオーダーモデルであれば、通常の販売価格よりも高くして売るのが一般的な考え方ですが、なぜドトールのブレンドコーヒーとほぼ同額(当時)という捨て値で売られたのか。

 

不良在庫ルアーのワゴン販売ならばその価格も理解できますが、このバックワードの場合は正規価格で販売されることもなく、いきなり190円での登場だったのです。

同期のウンデッドベビーザラは通常販売されていたのにも関わらず、です。

不具合のあるB品なのかと思いきやそういった事象も確認できませんでした。

かつてヘドンのヘルレイザーで起こった仕様違いのように、当初予定していた仕様と違うものが納入されたために投げ売りしたのかとも思いましたが、バックワードはスペシャルオーダーのオリジナルモデルゆえそれも考えにくいのです。

これらを調査すべく、数々のオリジナルモデルを発注した関西ヘドン事情に詳しいU氏や、自身もガチのヘドンコレクターである関東の商社社長のK氏にも確認しましたが結局詳細は分かりませんでした。

そしてこのモデル自体にも謎があるのです。

それは、このバックワードが日本からの依頼で作られた正真正銘のスペシャルモデルなのか、それとも既に米国サイドが持っていた試作品などの ”案” をもらっただけなのか、どっちなのかもワカランのです。

それともそもそも日本専売モデルですらなくて、既に米国の一部で流通してたのを持ってきただけかもしれません。(プラドコはこういのイレギュラーが多い)

ぶっちゃけそれを知ったところで何の足しにもならんのですが、その取るに足らんエピソードだけでゴハン三杯はイケる身としてはとてつもなく重要なことなのですw

どなたかこの辺の詳細を知ってる事情通の方います?

もし居たらぜひともご連絡を。

 

ベビーザラバックワードのアクション

と、そんなキモオタな事は置いといて、肝心のアクションについて説明しましょう。

このバックワードのアクション特性を一言で表すならば、”プロップ効果と首振りを強化したベビートーピード” です。

そしてベビトーに比べてめちゃくちゃ使いやすくなっているのも特徴です。

使いやすいというよりも、より ”日本人好み” になっていると言ったほうが近いかもしれません。

 

バックワードとベビトーとの違い

両者の最も大きな違いは、静止状態でのプロップの位置です。

この画像を見て分かる通り、バックワードのプロップ位置は水面に近く(というよりも既にプロップのエッジが水面から出ている)、回転と同時にエアを巻き込むようになっているのが分かります。

たったこれだけの違いなのですが、シングルプロップのスイッシャーにとっては月とスッポンほど大きな結果の違いを生み出します。

つまりベビトーがある程度のテンションで入力、つまりプロップが水面を割るほどの強さで引っ張らないと、ジュッ!というサウンドが出せないのに対し、バックワードはわずかに動かすだけでバブルを伴う美味しいポップ音が出せるのです。

 

元々ベビトーは連続ジャークでも水面から飛び出さないようにするためこのセッティングになっているので、どっちが良いとか悪いとかではありませんが、ベビトーを使っている時に、ここで弱いポップ音を出せたらなーと思うベビトー使い(のんだくれ含む)が多いだけに、これは大きなアドバンテージ。

そして両者は浮力が最も作用する点が違うため、ダイブアクションにも違いが現れます。

ヘッド部にボリュームが有って浮き角が急なベビトーはお辞儀をするようにダイブした後、頭でブレーキをかけたのち急角度で反転して水面に戻りますが、バックワードは背中をリップ代わりにしてノーズから滑らかにダイブした後、背中全体でブレーキをかけて水平に浮上する感じ。

この違いは文字だけではピンと来ないと思いますがベビトーには全く無い動きなので、実際に動かしてみると、同じヘドンのシングルスイッシャーなのにこうも違うのか!と軽い感動すら覚えます。

そして何よりも、ベビトーが苦手としている移動距離の短い首振りが簡単に出来る事は、とてつもない強みとなっています。

これらの動きの違いは単なるルアーの違いというだけでなく、装備された直ペラの可能性を大きく開花させたんじゃないかと勝手に思ってるんですが、皆さんはどう思います?w

 

フックはマスタッドのロングシャンク

フックは前後ともロングシャンクのマスタッドを採用。

カドミウムコートの防錆バージョンなのはベビトーやベビザラと変わりません。

ぶっちゃけフックの性能としてはイマイチなのですが、シャンクの長さがプロップの干渉を防いでくれるので、ノーマルのまま交換せずに研いで使う事が重要。

スプリットリングを入れて通常のフックをリグることは可能ですが、リングを入れた途端にエビになりやすくなるのでノーマルのまま使うのがベストなのです。

リングを入れると見た目的にもアレですしねw

 

ネームもオリジナルにして欲しかった

しかし残念なのはステンシルネームがベビーザラのままであること。

実は同じタイミングでリリースされたウンデッドベビーザラのネームもベビーザラのまま。

せっかくの新モデル?なのにネームが流用なのはちょっと寂しすぎますね。

あと一行、”BACKWARD” を入れて欲しかった。

 

特にこのルアーは目のペイントにこだわっていて、画像のようなスミスウィック系ツリ目だけでなく、ウンデッドザラに施されているような流し目モデルもラインナップしているのです。

そこまで目にこだわっていながらなぜネームはベビーザラのままなんだ💢!とw

ちなみにヘドンのツリ目アイにはこんな意味があるので妄想オカズのひとつにどうぞ。

 

そうそうバックワードは後ろに進むという意味なんですが、ここにもちょっと引っ掛かる点が。

ベビーザラを逆にリグったよ、という意味では最強のネーミングかもしれませんが、実はこのワードには ”退化” というネガティブな意味合いもあるので、その辺ヘドンはどう考えてたのかと思ってみたり。

 

バックワードはどこで手に入る?

そんなバックワードですが、生産されていない上にタマも少ないので、これからゲットするにはなかなかの苦労を強いられると思います。

おそらくワンロットのみ、一回きりの生産だったのではないかと。

さらにゴミのように叩き売りされていたことであまり貴重品扱いされておらず、当時はヤフオクの常連で、1入札だけで落とされるなど、可哀想なぐらい悲惨な扱われ方( TДT)

あの頃はプラドコルアー自体が虐げられていたので仕方ないといえば仕方なかったのですが、今のプラドコを見ると栄枯盛衰を感じずにはいられません。

 

おわりに

90年代のブームが去った上に外来種問題の再燃などにより、今や衰退カテゴリーのひとつにまで数えられるようになった日本のバスフィッシングですが、バックワードのようなスペシャルオーダーモデルが連発される時代がまた来るといいですね。

そしてもしそうなった暁には、是非とも率先して買って欲しいなと。

だってこういうモデルは発売当時は人気が無くても、後年になって化けるという法則があるんですから。

スペシャルオーダー品とまでいかなくとも、かつて不人気でワゴン要員や福袋の頭数要員として駆り出されたルアーが今や軒並みお宝になってる事実を見ちゃうと、ほっとけないですよねw

 

 

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