ジャイアントドッグXを凌ぐペンシルベイトになってたかもしれない”早過ぎた傑作” スゴイペンシル No.2 SUGOI Pencil No.2 / ゲーリーヤマモト Gary Yamamoto

ゲーリーヤマモト Gary Yamamotoトップウォーターペンシルベイト

全ての商品には ”適切な販売時期” というものがあります。

早い話がタイミングというやつですが、それは時間的なものだけでなく、市場の状況も影響してくるのでなかなか思惑通りにはなりません。

もちろんルアーの世界にもそれは存在し、ベストタイミングにリリースしたことで空前のヒットになったものがあれば、その反対も然り。

今日紹介するスゴイペンシルNo.2は、販売があと数年後だったら今とは違った立ち位置になってたであろうペンシルベイトです。

 



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スゴイペンシルNo.2とは

スゴイペンシルNo.2(以下スゴイペンシル)はゲーリーヤマモトでお馴染み、ゲーリージャパンがリリースしたペンシルベイト。

既にゲーリージャパンはショート&ファットなスゴイクイックBというベンシルベイトをリリースしていましたが、どちらかといえば虫アクションのスゴイクイックBとは違う特性を持つペンシルベイトとしてこのスゴイペンシルをデビューさせました。

その外見から当時はメガバスのジャイアントドッグXのパクリだ!なんて言われてましたね。

 

スゴイペンシルのサイズ・重さ

スゴイペンシルのサイズは110ミリ、16g。

ジャイアントドッグXよりも10ミリほど長く、オリジナルザラスプークとほぼ同等の体躯になっていることから、当時ジャイアントドッグXのサイズに物足りなさを感じていたアングラーのハートを射抜きました。

何を隠そうのんだくれもそのひとり。

オリザラでペンシルベイトを習得したアングラーにとって、この110ミリというサイズはアピールだけでなく、安心感という意味においても ”釣れるサイズ” に他ならないのです。

 

スゴイペンシルの特徴

デルタ形状断面を持つヤル気ヘッド

初っ端からパクリだ!などと騒がれてしまったため、その先入観から細部まで注目されなかったスゴイペンシルゆえ、ほとんどのアングラーが見逃している点がいくつもあります。

まずその筆頭がこの断面がデルタ形状のヘッド部分。

デルタ形状に加えて大きなグルーブ(溝)を設置する事で水の掴みを向上させ、クイックでキレのあるターンを実現。

 

しかしエラよりも後ろはミノープラグのようにスリムな縦扁平にすることでボディが倒れた時の明滅やフラッシング効果も持ち合わせています。

アクションについては後述しますが、実はこのエラとボディの段差がいい仕事をしてくれるのです。

 

強く響くワンノッカーラトル

テールにはそれぞれ個室に振り分けられたウェイトを内蔵し、甲高いワンノッカーサウンドを演出。

ワンノッカーサウンドのペンシルベイトといえばスーパースプークがその代表格として知られていますが、サウンド特性としてはスーパースプークよりもややマイルドながらもこのウェイトサイズとしてはかなり響くよう調律されています。

サウンド的にはスーパースプークとローバー98の中間ぐらいのトーン。

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実はこのウェイトシステムこそがジャイアントドッグXとの最大の違いでしたが、のちに ”早過ぎた傑作” と呼ばれる原因になってしまったのです。

 

スゴイペンシルのアクション

ペンシルに求められる要素を高次元で満たす運動性能

スゴイペンシルのアクションは多彩の一言。

キレのあるターンや足の長いスケーティングアクションはもちろん、その場でスプラッシュを撒き散らす連続首振りや水面の皮一枚をすくう様なサブマリンスライドまで、アングラーの入力次第であらゆる演出が可能です。

 

そんなバリエーション豊かなアクションのキーを握っているのが、水面に浮かせた時のこのラインアイの位置。

他のペンシルベイトに比べて高い位置にあるのでダイブや首振りが容易になるだけでなく、エラの段差にエアを携えて水中に細かいバブルを撒き散らすなど高度な演出もできる様になっているのです。

一般的に、あらゆる演出をこなすペンシルベイトは ”芸達者” である反面、どの動きも平凡になりがちですが、スゴイペンシルはそれらの要素を高次元で実現しています。

このラインアイの位置も含めた浮き角やウェイトセッティングを出すのはなかなかの苦労があったと想像されますが、ジャイアントドッグXとは全く別物となったこの仕上がりを見ると、その苦労は間違いなく報われているでしょう。

このスゴイペンシルはそれほどニヤリ😏な実力なのです。

 

その高い完成度ゆえ、ヘッド部のスペースにグラスラトルも何も入っていない事に大きな意味がある様な気がしてならんのです。

まあ単なるヲタの勘繰りでしょうがけど😂

 

見過ごされてしまったワンノッカーの威力

しかしそんなデキるペンシルベイトだったにも関わらず、名品認定されないまま生産が終わってしまいました。

天下のゲーリーブランドゆえにヒットはしましたが、必携ペンシルというポジションまで上り詰めることが出来なかったのです。

これぞまさに冒頭で触れた ”タイミング” の悪戯でした。

実はこのスゴイペンシルのデビュー当時、マーケットにはまだワンノッカーラトルの集魚力が浸透していませんでした。

ワンノッカーペンシルの祖であるスーパースプークは既に存在していましたが、カツーン!と大きな音で響くラトルの威力を理解していたアングラーはまだごく一部でした。

ゆえにのんだくれも含め、スゴイペンシルの凄さが理解できるアングラーが少なかったのです。

しかしスゴイペンシルが生産を終了して数年後、空前のワンノッカーブームがやってきます。

米国のルアーブランドはもちろん、国産ブランドまでワンノッカーラトル搭載のルアーをリリースしはじめ、その威力が認知されるように。

そして琵琶湖でスーパースプークによるモンスターラッシュが続き、それに影響されたアングラーがスゴイペンシルを投げてみたところ、これまた怒涛のラッシュが始まったのです。

 

ここまで書けばもうお分かりですね。

つまりこのスゴイペンシルは、ワンノッカーという破壊力のある武器を持っていながらも、デビュー時にその武器の凄さをマーケットが理解できていなかったという ”早過ぎた傑作” だったのです。

いや、もしかしたら当のゲーリージャパンですらその凄さを理解していなかったかもしれません。

というのも、スゴイペンシルのパッケージにはワンノッカーラトルの威力を説いた文言がどこにも見当たらないのです。

パケ裏にあったのは “ナチュラルにデザインされたリアルなフォルムがバスの五感を刺激する” という、リアルな外見を重視していたと匂わせる文章のみ。

単に開発担当とマーケティング担当とのコミュニケーション不足で、デザイナー自身はワンノッカーの威力を知っていたかもしれませんが、その点を強力にアピールしていればスゴイペンシルには違う未来が待っていたかも。

 

カラーはベイトフィッシュ系がメイン

さてそんなオタの妄想は置いといて、本題に戻りましょう。

スゴイスプラッシュのカラーリングはゲーリーの他のプラグ同様、ベイトフィッシュ系が数多くラインナップしています。

画像のゴースト/トランスパレント系を筆頭にクロームなど、ゲーリーらしいカラーが多数揃っていました。

そういえばバブルガムピンクもありましたね。

でも水面ルアーだけにヘドンでいうところのブルフロッグとかの遊び心があるものがもっと欲しかったなぁ。

この点、メガバスは古典カラーのショアパターンやマット系クラックルバックを出したりしてアングラーの心を操るのに長けてましたね。

水面アングラーは魚が釣れる事も大事だけど、それ以前に”このカラーだからこそ使いたい” というこだわりがあるのです😁

 

フックをサイズアップすると更に戦闘力UP

フックは前後とも#4サイズを装備。

スゴイペンシルが持つ機動性を損ねたくないアングラーは浮角が変わらないようフック重量にも留意した方が良いかも。

しかし逆に前後ともフックを#2にサイズアップするとダイビング傾向が強まるので、水面直下を逃げ回るベイトフィッシュを演じることも可能に。

さらにウェイトを足せばペンシルベイトというよりはトゥイッチベイト寄りのアクションも楽しめるので、トライしてみる価値はアリアリのアリ。

このあたりのモディファイの許容範囲の広さも基本性能の高さを物語っています。

 

史上稀に見る”悪名”

でもいくら優秀なルアーでも名前が最悪。

なんですかNo.2って。

いくらスゴイクイックBの次だったとしても、ちゃんと名前をつけてやろうというキモチが見えません。

ネーミング会議やるの面倒だからもうNo.2でいいんじゃないの?感がアリアリです。

スゴイクイックBが全世界で大ヒットして超定番のポジションになっていたなら、まだ理解できなくもありませんがこの安直なネーミングはあり得ません。

100歩譲ってもしこのNo.2に他の意味があったとしても、ユーザーには全く届いてませんからね。

これだけのパフォーマンスを持ってるだけにホント勿体無いとしか言いようがありません。

ルアーのネーミングがパフォーマンスの一部であることは、ブザービーターやキッカーイーターなどが実証済み。

もしこのルアーがもっとちゃんとした名前だったら、定番商品として今も普通に買えていたかもしれないだけに残念ですね。

 

おわりに

ご存知の通り、スゴイペンシルは生産が終了して久しいので入手は中古市場のみとなっています。

しかも出回ったタマ数が多い上に、今はペンシルベイトが不人気なので値打ちに買うことが出来ます。

でもちょっと視点を変えてみれば、この高パフォーマンスが格安で入手できるのは、タイミングがズレたからこその恩恵とも言えますね。

もしデビュー当初からこの威力が理解されていたら、今のように安く手に入れることはできないでしょう。

思い返せば、過去にもそういうルアーって沢山ありましたよね。

エクスキャリバーのバズベイトやフローティングログ、サスペンドのスーパースポットなどなど、どこでも売ってて、時にはワゴンに流出したり黄色で100円で投げ売りされてたのに、その実力が知られた途端に品薄&価格高騰してチマナコにさせられたなんて事が😁

このスゴイペンシルがそうなるかどうかは分かりませんが、その要件を備えていることだけは間違いないので、どこかで出会ったらレジへエスコートしてみては?



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ルアー千一夜
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