スナブノーズ Snub Nose / コットンコーデル Cotton Cordell
目次
あの宿敵を追撃するために生まれた名作
魚雷型シングルスイッシャーといえばヘドンのトーピードが真っ先に思い浮かびますよね。
どこでも安価で手に入るだけでなくちゃんと釣れるという、定番の定番たる要件を備えた名品です。
しかし、そんな定番の座を虎視眈々と狙うヤツらもいたんです。
それがこのスナブノーズ。
ベビートーピードを抹殺すべく、あのコットンコーデルが世に放った刺客です。
シングルスイッシャーのひとつの結論
魚雷型スイッシャーの性能については今さら説明の必要はありませんよね?
浮力を持った丸っこいヘッドがしっかりと水を押し、ヘッドが押しのけた水を更にペラが撹拌してアピール…
夫婦漫才のような完璧な役割分担がなされたシングルスイッシャーの最終形とまで言われているスタイルです。
各社ともにこのタイプのルアーを投入していることからもその人気ぶりがうかがえます。
最終形であるがゆえにオリジナリティが出しにくい
しかしラトルトラップの例を挙げるまでもなく、これ以上改良のしようがない最終形に行き着いてしまったルアーは、メーカーとしては非常にオリジナリティが打ち出しにくいんですよね。
機能と独自性との微妙なバランスいうか、売れ筋・釣れ筋テイストを残しつつも各社の特徴を盛り込まないと単なるコピーで終わっちゃいますからね。
制約の中でも自己主張するのがコーデル流
その点、このスナブノーズ君はかなり頑張ってくれてます。
まずはこのポチっと飛び出たオメメ。
小さく飛び出た目は他のコーデルのルアーにも採用されてますが、ベビトーの目がフラットなだけにこれだけでも雰囲気が全然違います。
あれですよ、女性が目の周りのメイクを変えただけで全然見違えちゃうってヤツ。
もし彼女がデートにこんな出目メイクで現れたら他人のフリしちゃいますが。
テキトーであるがゆえのコーデルらしさ
天下のコーデルトップウォーターですから口元はもちろんコレ。
テンプレートを当ててシュッ! しただけの超カンタン手法ですが、たったこれだけの事でコットンコーデルである事を強烈に主張出来るんですから、大したもんです。
しっかし見れば見るほどテキトーな吹き具合だなー🤣
見た目ショボいペラでも実力は十分
ペラは小さい方のクレイジーシャッドなどに使われているものをそのまま流用。
ベビトーのピンコ勃ち直ペラに比べたら明らかに見劣りする、打ち抜きのショッボいペラなんですが、ナメてかかるとエラい目に遭います。
大きさや角度よりもテクニックが大事なんだと再認識させてくれる心強いペラなんです。 ウンウン。
オールドならではの不可解な部分も
ベビートーピードと違ってフロントのリグがエイトリングなのもスナブノーズの特徴。
スプリットリングを介してぶら下がるのは、コーデルお得意のラウンドベンド針です… と言いたいところですが、なぜかケツには鷲爪がぶらりんこ。
ありゃりゃ? なんじゃコレ。
これ以外の未開封モノもいくつか調べたんですが、ケツには全てイーグルクローがぶら下がってました。
前後のフック形状を変えたのには何らかの意図があったのか、はたまた単に製造時期の違いなのかは分かりませんが、ルアヲタとしてはソソる探究ポイントですよね。
名前の由来は見たまんま獅子鼻から
ボディの両側にはこのようにしっかりとネームがモールドされてます。
スナブノーズとは、しっかり鼻柱が通った先が丸くなってる鼻のこと。
いわゆる獅子鼻と呼ばれるタイプで、我々モンゴロイドにはあまり見られませんが、開発者はこのルアーのヘッド部分を見て獅子鼻を思い出したんでしょうね。
でもダブルミーニングが大好きな連中ですから、他にも何か違った意味を埋めてそうですけど。
ブランド名もエンボスモールド
ボディの反対側には BY CORDELL とブランド名も入れられています。
日本的に言うなら BY 田中 とか、BY 加藤 って入ってる感じですね。
どうでもイイことですが、まだルアーが貴重品だった時代、自分のルアーに名前を買いてたヤツがいましたね。
当時はそれをダサいと思ってましたが、今思うとそれだけルアーに愛着があったんだなーとなんかほっこりします。
事実ロストしても戻ってきたりしてましたからね。
ちなみにボディの中には遊動式のラトルボールが一個。
乾いた音を放つボーン系素材との相性はバッチリで、小さな挙動でも鬼太郎の下駄の如くカラコロ鳴いてくれます。
その演技力は”シングルスイッシャー界の加藤鷹”
さてさて、気になるのはコイツが持ってるダンスの腕前ですよね。
結論から言うと、コイツはすんげーテクニシャンです。
ベビトーには仕込まれてない真珠 ラトルボールをカラカラとハデに鳴らし、カリ首を振る 首振りする度に大きくぶっかけ スプラッシュを上げていぶし銀のペラをブイブイいわせるトンでもない床上手です。
随分前にプラドコからラトリントーピードというデニーブラウワーのオートグラフモデルが出た事がありますが、名前の通りの鳴り物入りで登場したそいつでさえ、このスナブノーズの前では単なる汁男優。
やっぱコーデル、単なるベビトーの後追いモデルで終わらせないところがスゴいですね。
さすがBait of Champi… あれ?違ったっけ?
ご存じの通り、コイツははるか昔に絶版となってるので、今じゃ中古屋かオールド系のショップでしか出会えませんが、もし出くわしたらコンディションを問わず確保して、その加藤鷹なみのテクニックにシビれて欲しいルアーのひとつです。
コメント
*2010年投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています
1. コカスキ April 02, 2010 00:51
スナブノーズで今検索すると、
クランクベイトがでてくるのですね。
トピドウあるから釣ってませんな。
2. かうたん April 02, 2010 00:59
うーん…数々のルアーに中古屋で巡り会って来ましたがスナブノーズだけはまだ出会いが無いんです。
見つけてても良さげなんですけどね~。
前後のフックが違うだなんてこだわってますよね。
ベイトオブチャンピョンはジッターさんちですよね(笑)
3. セラフ April 02, 2010 01:14
スナブノーズは未だに手にした事がないんです。
こんな出目だったのも初めて知りました~。
これだけでもポイント高いのに、前後のフックが違ったり、口紅だったり……。
ヤバイですねぇ、めっちゃ欲しいです。
4. ばるたん(V)o¥o(V) April 02, 2010 01:16
見たことありませんでした!
加藤鷹なみのテクニック!!
素晴らしい表現だ!!
5. S2C April 02, 2010 08:42
昔、買取で見たような見てないような・・・
で、いつもより「シモ」が多いのは気のせいでしょうか・・・。
そっちにドキドキしちゃいましたがな!
6. 岩谷薫 April 02, 2010 10:22
ルアーに「最終形」ってなんとなくあるんでしょうね。
まさにトーピードはそんな感じですね。
最近、スローパーのヒレを見ていて、外見上は絶対ベビーラッキー13にはしたくなかったんだろーなーと開発者の気持ちも伝わりそうでした。
「真珠」と「カリ首」のところは、開発者とのんだくれさんの、工夫が見えて笑えました!
7. のんだくれ April 02, 2010 10:43
コカスキさん
ググってみたらホントにクランクでした。
ナニゲに釣れそうなクランクベイトですね、アレ。(笑)
8. のんだくれ April 02, 2010 10:45
かうたん
中古屋マスターのかうたんでもまだ出会ってないんですか。
こりゃ想像以上に数少ないかも。
最近じゃメガバスもチャンピオンになってましたね。(笑)
9. のんだくれ April 02, 2010 10:47
セラフさん
あらら! セラフさんが持ってないなんて意外!
機会があったら是非ゲットしてみてくださいな。
10. のんだくれ April 02, 2010 10:47
ばるたんさん
はっはっはっ! そこに喰い付きましたか。(爆)
11. のんだくれ April 02, 2010 10:49
S2Cさん
やはり気づきましたか。 …って当たり前ですよね。(笑)
この記事は随分前に書いて下書き状態だったものをエロバージョンにリメイクしました。
そもそもエロバージョンにする意味はあるのかという質問はナシでお願いします。
12. のんだくれ April 02, 2010 10:53
岩谷さん
最終形ってルアーに限らずなんにでもありますよね。
そういう考えからすると、長い進化の過程を経てあの形に落ち着いたカリ首もやはり最終形なのか… ってまたそこかよ!
13. るねっさ April 02, 2010 11:33
ルアーの前後でフックが違う…
たまたまストックが無くて前にがまかつ、後ろはカルティバを装着した里子がうちには幾つかありますが、
流石にそんな理由じゃないですよね。うーん、謎ぃ
14. いるか April 02, 2010 19:03
もはやルアーうんぬんよりもシモに食らいついたオイラが居ますよ(笑)
ほんと男って中学生のあの頃のままですよね。
いや、ちんちんがスナブノーズ…ポークビッツなときからかな。
15. あんこく April 02, 2010 21:37
うーん、気になったので調べてみたら、
ウチにあるのは、全て前後同じショートシャンクのラウンドでしたね。
鷲爪装備はありませんでした。
やはり特に狙いはなかったようです。
いや、それでこそコーデルというか(爆
16. 水澄まし April 02, 2010 22:50
今晩は!
漫画に出て来る様な目のクマが素敵です。
塗料のピキピキも逝かしてますな。
ラインアイの塗膜がバージンの印ですね(笑
17. とびっく April 02, 2010 23:42
5こんばんは(・∀・)ノ
なんともカッコいいカラーですね!ポチッと出た目がまたイイっす!
是非とも出会いたいです。
ところで先日中古屋から連れてきたヤツにクレイジーシャッドみたいなリグのベビトータイプのがいるんですが… やっぱりドコかのパチモノか(苦笑)
18. ロングA April 03, 2010 00:51
いやー、いいですよねこれ
こんなこと言うとへドンファンの方に消されそうな気がしますが、個人的にベビトーより好きです
それにしてもあのL字リグはヒートンだと思って疑わなかった若造に悪夢を見せてくれました
・・ペラを変えようとした僕が悪いとは思いますが。
19. シマドン April 03, 2010 11:10
ただのパチと思って使ったらアララビックリですね、、、って予備玉が無ので思いっきって使えません
かなり慎重に、、、優しく、丁寧に(爆
20. のんだくれ April 03, 2010 14:58
るねっささん
昔のアメルアって、こんな仕様違いが死ぬほどあるんですが、カタログで調べても分からないので正直お手上げなんですよね。
…だったらそこに喰いつくなよって言われちゃいそうですが…(笑)
21. のんだくれ April 03, 2010 14:59
いるかさん
そう、思考回路は小学生のまま。
いや、むしろ今の小学生の方がよっぽど精神年齢は上。(涙)
まあどんどん退行していくってのも悪くないと思います。(爆)
22. のんだくれ April 03, 2010 15:00
あんこくさん
おお! 早速リサーチしてくれましたか! さんきゅうです!
しかも期待通りの結果!(爆)
それでこそアメルア、それでこそコーデル。(笑)
23. のんだくれ April 03, 2010 15:01
水澄ましさん
そうなんですよね、この時期のコーデルは究極にトップコートが弱いのですぐにピキピキ。(笑)
まあこれも含めて愛してあげないとイカンのですが。
24. のんだくれ April 03, 2010 15:03
とびっくさん
現物を見ないとなんとも言えませんが、多分それはコーデルのものだと思いますよ。
あのL字リグは他では見ませんから。
25. のんだくれ April 03, 2010 15:06
ロングさん
確かに首振りなんかはベビトーよりも圧倒的に戦闘能力は高いですね。
あのL字リグをヒートンだと思って無理に引き抜くのはお約束です。(笑)
26. のんだくれ April 03, 2010 15:07
シマドン
はっはっはっ! 素性が分かったと同時に扱いが豹変するというヤツですな。(笑)