コレで釣ったことがない人は捕食音なんか忘れてとにかく巻くべし! ベビーラッキー13 Baby Lucky 13 #2400 / ヘドン Heddon

へドン Heddonウェイクベイトダータートップウォーター

星の数ほどあるルアーの中には、”一体どうやって使えばいいのか分からない” というモノもチラホラ。

その代表がダーターと呼ばれる類いのルアーでしょう。

捕食音を出すルアーだというのは理解できるが、それをどう動かせばいいのかが分からないというアングラーが非常に多いのです。

よって今回のポストは、そんな迷えるおっさん達に一筋の光が見えたら良いなと思いつつ書いてみました。

どちらかといえばオールドコレクター視点のブログ記事や記述が多いベビーラッキー13ですが、今回はプラドコモデルを基準に ”普段使いのベビーラッキー13″ で進めて行きたいと思います。

ベビーラッキー13とは

ベビーラッキー13は、言わずと知れたヘドンの金看板を背負ったヘドンクラシックスの一員。

コレの兄貴に当たるオリジナルサイズが13日の金曜日に大釣りをもたらしたした… 云々の歴史についてはあらゆるところで書き倒されているので、今回はそっち系には触れません。

歴史を詳しく知りたい方は他のサイトで調べてくださいw

さてさて。

ベビーラッキー13というルアー、ヘドン的には ”フローターダイバー” であり、クランクベイトにように潜らせて使うもの、という認識ですが、日本ではトップウォーターカテゴリーの”ダーター”として紹介されることがほとんどです。

ご存知の通り、日本のトップウォーターバスフィッシングは ”スロー&ステディ” というワードに象徴されるように、独自の進化を遂げてきた分野。

着水したら波紋が消えるまでポーズ… チョンチョンと動かしたらまたポーズ… という具合に、あくまでも水面がステージ。

そして狭いスポットで魚を焦らしてバイトに持ち込むのがジャパンスタイルとされています。

しかしこのベビーラッキー13は、ジャパンスタイルにそのまま当てはめてしまうと、本来の実力が発揮しにくいルアーでもあります。

キモさえ理解すればたとえ水面であろうと良く釣れるルアーなのですが、ジャパンスタイルのイメージに引っ張られ過ぎると、全然釣れねー!😩となってしまうのです。

それゆえ日本人のベビーラッキー13に対する評価は「神ルアー」と「イマイチ良く分からんルアー」に二分される結果に。

つまりそれだけ迷えるおっさんが多いのです。

これだけ実力を持ったルアーなのに、そのポテンシャルを引き出せないのはちょっと寂しいですよね。

しかしご安心を。

ヘドンの教則に沿った使い方さえすれば、誰でもベビーラッキー13を「神ルアー」にすることが出来ますから😁

ベビーラッキー13のサイズ・重さ

ベビーラッキー13のサイズは全長65ミリ、自重3/8oz。

大き過ぎず小さ過ぎないサイズ、そしていかにもトップウォーターという分かりやすい見た目もあって、デビューから今まで数多くのアングラーに親しまれてきました。

のんだくれがハナタレだった頃は気軽に買えるようなモノではなかったので、いつかはクラウンならぬ、いつかはヘドンの思いを抱きながら得体の知れないジャパチのラッキーを投げるのがお約束でしたが。

オリジナルとベビーは全くの別物

ベビーラッキー13はオリジナルサイズのライトバージョンとして誕生しましたが、両者は兄弟とは思えないほど性格が違います。

一見サイズが違うだけのように見えますが、細部が微妙に違っています。

それら微妙な違いがルアーのアクション・挙動に与える影響は見た目以上に大きく、両者は同じラッキー13でありながら、似て非なるものに仕上がっているのです。

挙動不審アクションを生み出すマウス

それを如実に表しているのがこのマウスです。

オリジナルサイズよりも下顎が短く設計されたベビーラッキー13はオリジナルに比べてアクションに落ち着きがありません。

オリジナルサイズがユラユラと重厚感たっぷりにボディ全体を揺らすアクションなのに対し、ベビーラッキー13はテールを細かく不規則に振る挙動不審アクション。

ネズミなどの小動物が落水してパニくってるような緊張感のある泳ぎを見せてくれるのです。

テールに浮力を持たせない絶妙なボディライン

ラッキー13(左)とベビーラッキー13のテールエンド

その泳ぎの秘密はテールエンドのデザインにも隠されています。

ベビーラッキー13はテールエンドが絞られているので水の抵抗を受けにくくなっており、ラインアイの位置(支点)がボディの中心よりも上にあることで挙動不審アクションが出やすい様に設計されています。

あまり体積を大きくし過ぎると(浮力を大きくし過ぎると)じゃじゃ馬になって扱いにくさが出てしまうので、このあたりのデザインには、アングラーが扱えるギリギリのところで不規則アクションが盛り込まれてるんじゃないかと勝手に推測していますが😁

ベビーラッキー13のアクション

ダーターのアクションと聞くと捕食音だけをイメージする人が多いのですが、実はベビーラッキー13は多彩な動きが演出できるのが特徴。

基本アクションは、強い浮力を生かしたメリハリのあるストップ&ゴーによるポップ/捕食サウンド。

大きなマウスを持ったルアーだけに、やはりこの演出は外せません。

ただそのサウンドは、軽いトゥイッチのペチン!から強め入力のゴブッ!までアングラーのスキル次第で広い音域が楽しめるようになっているところがミソ。

ポッパーではないのでツバ吐きや水ドームを作るのは苦手ですが、サウンドの多彩さという点ではポッパーを凌ぎます。

そしてルアーを潜らせることでその性能を存分に活かすことが可能に。

このルアーの対比としてよく引き合いに出されるルアーにベイブオレノがありますが、ベイブオレノはゆったりとした大きなスラロームがメインなのに対し、ベビーラッキー13はせわしなく上下左右にテールを振る感じ。

極端な言い方をすれば、ケツだけを縦横無尽に不規則に振り回すイメージです。

そしてリトリーブスピードによってエスケープアクションが出せたり瀕死のベイトフィッシュを演じたりと、ペンシルベイトにも劣らぬ芸達者ぶりなのです。

ベビーラッキー13の使い方

そんな特性を理解すると、おのずとベビーラッキー13の動かし方も分かってきます。

結論から言うと、キモはダイビングによるスイミング演出を織り込むこと。

このひと言に尽きます。

まずは大きなマウスで捕食音を出すことなど忘れて、水面直下をフラフラと泳がせることに集中するべきなのです。

極端な話、最初の一匹を釣って自信がつくまではクランクベイトの様にずっと巻いててもいいぐらい。

ぶっちゃけクランクのようなキビキビとした動きではないので、最初はホンマに釣れるんかいなと疑心暗鬼になりますが、使っているうちにクランクベイトの比ではない水撹拌力とか、マウスから細かいバブルを撒き散らして乱反射を作り出すところとかが見えてきて投げ続けられるようになります。

もうお分かりだと思いますが、実はベビーラッキー13は日本のスロー&ステディな水面スタイルにはマッチしにくいルアーなのです。

良い悪いはともかく、水面で食わせることがフェアであるという考えが蔓延る日本の水面スタイルだと、ベビーラッキー13はちょっと理解されづらいのです。

しかしそれでもベビーラッキー13を激釣れの神ルアーとしているアングラーが多いのは、意識/無意識に関係なく、演出の中にスイミングアクションを取り入れているから。

のんだくれの知人にラッキー13でバカみたいに釣ってるアングラーが居ますが、彼曰くラッキー13のキモはダイブ&ジャークからの巻きだ、と。

だってよく考えてみてくださいよ。

あのアメリカ人の間で大ヒットしたルアーなんですよ。

ヘドンのデザイナーが、捕食音からのダートが効く!とか言ったって、末端ユーザーは ”捕食音?なにそれおいしいの?” とばかりに、でっかいスピニングでグリグリ巻くだけなのが実情です。

そんな連中でもちゃんと釣れるように出来てるルアーだからこそ大ヒットしたんですから、郷に入らばナントカで、迷ったら巻けばいいのです。

クランクのようにひたすら巻き倒せばイイのです。

とにかく最初の一匹はスイミングアクションで釣って、そして自信がついたらより難易度の高い水面ゲームへ移行すればいいのです。

とにかく深く考えない。

これがベビーラッキー13で最初の一匹を釣る極意なのです。

ベビーラッキー13のカラー

しかしヘドンのルアーを釣れる/釣れないという基準だけで見るほどもったいない話はありません。

だって歴史がある分、死ぬほどカラーが揃ってるんですから。

そして老舗は老舗なりに時代を反映したカラーを投入してくれているのもヘドンの良いところ。

その中でオススメなのは、このホログラムフレークを全身にまとったこのGフレック G-Fleckと呼ばれるカラー。

Gフレックとは、一般的なラメフレークではなく、グアニウム色素を配合?したホログラムフレークをトップコートに大量に混ぜることにより独特の光反射を演出するカラーパターン。

実はコレ、ビルノーマンが口火を切ったグリッター戦争Glitter Warsにヘドンが宣戦布告したカラーでもあるのです。

御存知の通り、ビルノーマンは80年代の終りにラメでカバーしたゲルコート仕上げのルアーをリリースして大ヒットを飛ばしました。

その機を逃してなるものかと、バグリーがダズルカラーを出し、フレッドアーボガストがグリッターゴーストカラーを、ストームがフラッシュカラーをリリースしたことで、アルファベット戦争、ナチュラルカラー戦争に続くグリッター戦争が勃発。

その戦場にヘドンが送り込んだのがこのGフレックカラーだったのです。

しかしグリッター戦争はそれ以前の戦いに比べてメーカーによって温度差が大きかった事もあって、それほど話題にならずにフェードアウト。

実際ヘドンがこのGフレックパターンをリリースしたタイミングも、激戦のピークを過ぎた頃だったため、宣戦布告したと気付かない人も多かったというちょっとお粗末な展開でした。

そう思うと昔のプラドコはのんびりしてましたねw

ちなみにノーマンのゲルコートについてはDD22の記事で触れているのでそちらもどうぞ。

ディープモンスター達を震え上がらせたダイビングクランク不朽の名作 DD22 Deep Diver 22 / ビルノーマン Bill Norman
ダイビングクランク不朽の名作・DD22 ディープダイビングクランクベイトを語る上で絶対に外せないのがコレ、ビルノーマンが誇る水底探査機、DD22。 80年代、国産のダイバー達が登場するまでバグリーダイバーズと共にディープエリ...

画像のものはヘドンのアイデンティティでもあるショアパターンを背負った、Gフレックブルーショアミノー/GFXBLですが、仲間にGフレックレインボー/GFRBWというのもあります。

いずれのカラーもベビーラッキー13、ラッキー13、タイニーラッキー13はもちろん、ヘドンの主力トップウォーターに配備されているので気になる人は探してみては?

プラドコヘドンのお約束マスタッドフック

フックは前後ともプラドコヘドンお得意のロングシャングマスタッド。

時期によってクローポイントのイーグルクローが採用されていた時期もありました。

リグはフロントがサーフェスリグでリアがカップ付きヒートンですが、バレ軽減のためにスプリットリングを入れるアングラーもチラホラ。

この辺りは完全に好みですが、ベビーラッキー13はスプリットリングを入れると、ペコンとお辞儀させた時にエビになりやすいので個人的にはオススメしません。

Gフレックにはネームがない

しかしGフレックカラーには、ヘドン家の血統の証でもあるステンシルネームがないのです。

他のモデルにはしっかりネームが入ってるのに。

これはおそらくトップコートとの相性が良くなかったからだと思いますが、Gフレックはヘドンならではのカラーだけにちょっともったいない気もしますね。

ベビーラッキー13はどこで買える?

そんなベビーラッキー13ですが、歴史がある上に今でもしっかり生産されているので、ネット検索すれば現行モデルからオールドのレアカラーまですぐ見つかるでしょう。

黄色でも安定供給されているので、入手に苦労することはないかと。

しかし昨今の中古ルアー価格相場の高騰により、一昔前では考えられなかったこんな状況も見られるようになったので、購入にはそれなりの覚悟が必要かもしれません。

昔は100円とかザラだったのに、時代は変わったなぁ(シミジミ)

おわりに

どんな趣味やスポーツにも言えることですが、自分が使いこなせなかった物が思い通りに使えるようになるのは、新たな扉が開いてワクワクが倍増するだけでなくモチベーションもアップするなどイイ事づくめ。

そういう意味において、このベビーラッキー13はまだまだワクワクのブルーオーシャンなので、ダーターを苦手としている人にはぜひ使ってもらいたいなと。

おっさんになると大抵の事には驚かないしワクワクもしなくなるけど、ダーターをゆっくり巻くだけで一気に新しい世界が広がってニヤニヤが止まらなくなるんだから、そんなのやらないと損でしょ?w

思い出し笑いが増えて、周りから気味悪がられても責任は持ちませんが😂

 

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