45年以上もボーマーの金看板を背負ってきたプライド ロングA Long A 15A / ボーマー Bomber

ショートビルジャークベイトボーマールアーズ Bomber Lures

以前デビルスホースのポストで ”ジャークのリズムはAC/DCのThunderstruck” と書いたんですが、それを出したらこいつの事も書かないとね、ということで今日のゲストはボーマーのロングA。

ご存知ラトリンログと並ぶアメリカンジャークベイトニ大巨頭のひとつです。

【ロングAを知らないルアーアングラーなどいない説】を検証したらあっという間に立証できそうなぐらいの超メジャーなルアーですが、その中でも一番の稼ぎ頭、15Aサイズの存在はもはやレジェンドと言ってもいいでしょう。

全てのフィッシュイーターを狂わせる ”何か” があるのは明白ですが、その ”何か” を再現しようと挑んだルアー達をことごとく葬ってきたという実力もまたレジェンド級。

そしてその実力に助けられたアングラーも数知れず。

もちろんのんだくれもそのうちの一人ですが、正直な話、このルアーの破壊力を理解できるまでにはそれなりに時間がかかりました。

15Aと呼ばれるこのモデルはロングAシリーズの中でも最も汎用性が高く、そして実績があるモデルとして知られています。

バスはだけでなくあらゆるフィッシュイーターを惑わせるルアーとして世界中のアングラーから愛されており、14Aと並ぶ最古参モデルとして、45年以上に渡って売れ続けているロングセラーでもあります。

……と、いつもだったらこのままノー書きに突入するところですが、14Aだの15Aだの何言ってるかさっぱりわかんねー!と、ゲー出そうになってる方のために、先にロングAの主なモデルの解説をしておきましょう。

ボーマーロングA 15A、14A、13A。

ロングAの主なサイズ、上から15A、14A、13A。

これ以外にも16A、17Aモデルというラージャーサイズがヘビーデューティ&マグナムサイズとして存在します。

興味のない人にはなんのこっちゃ?な数字の羅列でしかありませんが、ロングAの全てのモデルはボディサイズを基準とした数字で区別されており、ここさえ理解しておけば、派生モデルとして登場したジョイント、ディープダイバー、シグニチャー、プロシリーズなども理解しやすいと思います。

正式にはモデルコードの頭にはすべてボーマーの “B” が付きますが、省略されて呼ばれることが多いので、基本的に1から始まってAで終わる記号が出てきたらロングAの種類だと理解しておけば間違いないです。(注: 11AのみモデルA。ディープダイバーは”2”から始まる)

各モデルのスペックは下記のリストを参照ぷりーず。

 

モデル#サイズウェイトタイプフックSeries/Production
B13A2 1/2"1/4ozFloating#6 x 2廃番
B13AS2 1/2"5/16ozSinking#6 x 2廃番
B13AE2 1/2"1/4ozFloating#6 x 2エクスキャリバー/廃番
B13AES2 1/2"1/4ozSuspending#6 x 2エクスキャリバー/廃番
B13AETD2 1/2"9/32ozSinking#6 x 2エクスキャリバー/廃番
B14A3 1/2"1/4ozFloating#6 x 2廃番
B14S3 1/2"3/8ozSinking#6 x 2廃番
B24A3 1/2"3/8ozDeep Diver#4 x 2廃番
B14AP3 1/2"3/8ozSuspending#6 x 2プロシリーズ/廃番
B14APF3 1/2"1/4ozFloating#6 x 2プロシリーズ/廃番
B15A4 1/2"3/8ozFloating#4 x 3
B15AS4 1/2"1/2ozSinking#4 x 3廃番
B15J4 1/2"3/8ozJointed#4 x 2廃番
B25A4 1/2"1/2ozDeep Diver#2 x 2廃番
B15AE4 1/2"1/2ozFloating#6 x 3エクスキャリバー/廃番
B15AES4 1/2"9/16ozSuspending#6 x 3エクスキャリバー/廃番
B15AP4 5/8"9/16ozSuspending#4 x 3プロシリーズ/廃番
B16A6"7/8ozFloating#1 x 3ヘビーデューティ
B16J6"1ozJointed#1/0 x 2ヘビーデューティ
B26A6"1 1/2ozDeep Diver#1/0 x 2ヘビーデューティ
B17A7"1 1/2ozFloating#3/0 x 2マグナム
B17J7"1 3/4ozJointed#3/0 x 2マグナム
B146A5 3/4"1ozFloating#1/0 x 2A-ソルトシリーズ
・2021年06月時点
・リージョナルモデル及びスペシャルオーダー除く
・全てのデータはパッケージ、カタログ及びセールスキットの掲載値
・フックサイズは製造時期やフレッシュ/ソルト仕様による相違アリ

さてさて話を元に戻しましょう。

先ほど、”破壊力を理解できるまでにはそれなりの時間がかかった” と述べましたが、それにはいくつかの理由がありました。

まずのんだくれが一番最初にこのロングAを入手した時期(1982年?)は、日本のバスフィッシングにおいてミノーを”ジャーキング”、もしくは”トゥイッチング”するという概念がほぼ無かったため、ロングAをタダ巻きでしか使っていなかったのです。

そして当時はバスのアベレージサイズは30cm前後、40cm超えたらランカー認定されるような時代だったので、15Aというサイズはバスにはデカ過ぎるという先入観がありました。

そして最大の問題は、当時のんだくれが使っていたタックルです。

ダイワのニューサンスピンL5 1/2ではタダ巻きといえども長時間巻き続けるのはしんどかったのですw

そんな状況だったので、いつしかのんだくれの15Aはボックスの穴埋め要員となり、ボックスを開ける度に、そんなデカいのじゃ釣れん!と友達に笑われる存在になってしまったのでした😭

 

しかしそんなロングAにも転機が訪れます。

ヒロ内藤氏の名著、【ブラックバスルアー活用術】にロングAの使い方が具体的に紹介されたのです。

今でこそ珍しくありませんが、個別のルアーの動かし方を具体的に図解で解説するという手法は当時としては画期的で、股間を硬くしながら読み漁った覚えがあります。

そしてその解説の通りに使ったところ、釣れたのです。

しかもめちゃくちゃなぐらいに。

これは衝撃という言葉では表せないほど衝撃的でした。

今まで何を投げても釣れなかったのに、細かく潜らせて浮かせるだけでバスがバコバコ出るんですから。

ここで初めて15Aの凄さを思い知ったのです。

当時は一尾でもオサカナが釣れたらその夜はルアーを眺めてニヤニヤしちゃうというのに、その日は連発ですからね、もうタイヘンです。

アレですよ、初めて女の子とナニをした夜にニヤニヤが止まらなかったあの感覚とおんなじ。

このリップがあるからいい感じに潜るんだよなーとか、この小さなラトルの音が効くんだよねーとか、盛大な後付け理由大会の始まりです。

そりゃデカ過ぎると思ってたルアーと同じぐらいのバスがアタックしてくるのを目の当たりにしちゃったんですから、そうなるのも無理はありません。

この日の連発劇は、のんだくれのバスフィッシング歴の中でも未だにパンツの穴レベルのトップ案件に君臨してるぐらいですからw

そしてのんだくれはその一件でプリズムインサート教にも入信することになったのです。

元々ダイワのトリッキースピナーでプリズムシートの威力を知ってはいましたが、連発のインパクトでトドメを刺されました。

それ以来、プリズムインサート入りのルアーを見ると衝動が抑えられなくなる慢性疾患に苦しめられる身体にw

しかしこうして改めてクロースアップでプリズムインサートを見てみると、めちゃくちゃキレイですね。

ビックリマンチョコでいうところの扇プリズムというパターンになりますが、こっちはシールのように表面が擦れて劣化することがないのでコンディションはA+です… って当たり前かw

80年代のロングAは樹脂素材の透明度の関係でここまでの鮮やかさは無かったし、個体によってはシートがヨレてたりもしましたが、それでもサカナやヲタうぃ惹きつけるには十分な輝きを持っていました。

プリズムシートの乱反射を阻害しないように背中側の塗装はパーティングラインを消す程度に控えめに拭いてあるだけなのもプリズムインサート信者としては嬉しいところです。

日本のジャークベイトにはあまり見られないストライクドット(ストライクマーク)が入ってるのもロングAらしいところ。

モールドの内側にマーカーとなる凹みがあってそこに合わせてブラックを乗せているので、この辺りの制作手順はマニュアル化されているんだろうなと。

フックは前後とも#4のラウンドベンドを採用していますが、製造ロットによるのかカラーによって変えているのか、カドミウムフックとブロンズプレーティング、そしてニッケルプレーティングのものが3種類存在します。

そして南米や豪州など大型フィッシュイーターに投入されることが多いエリア向けのモデルは2Xワイヤーなど太軸モデルが採用されることも。

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左:80年代初期のロングA
右:90年代モノ

元々初期のロングAには現行モデルよりも2サイズ小さなフックが装着されていたりもしたので、逆の言い方をすれば、フックさえ変えればあらゆる魚とあらゆる状況に対応できる汎用性の高さをもっているという事。

そして、フックを変えても泳ぎのパフォーマンスがそれほど変わらないのもロングAの魅力のひとつですね。

そうそう、パフォーマンスといえば、オールドと呼ばれるテールがヒートン(テールスクリュー)のモノに人気がありますが、のんだくれは実釣ではヒートンモデルは使いません。

それはエイトリングの現行モデルの方が圧倒的にアクションレスポンスが高いから。

そりゃ80年代のプラスチック素材と今のプラとでは比重が違いますし、ヒートンだって0.3gぐらいありますから、動きが変わるのは当然。

ヒートンモデルじゃないとテールにプロップ装着できないし… という声も時々聞こえてきますが、プロップチューンもオールド個体を使うよりもエイトリングを焼き抜いて細いヒートンを入れた方が圧倒的にクイックな動きになるんですから。

なのでヒートンモデルはニヤニヤの相手としてもう引退させてあげてください。

バスだけでなくあらゆるフィッシュイーターに使えるミノーとして世界中で売られているロングAですが、近年日本では最新のジャークベイトに押され気味。

頭下げ姿勢だの重心移動だのサイドtoサイドの大きなダートアクションだのが標準仕様となっている今のジャークベイトと比較すると物足りなさは否めませんが、それらの機能すら霞んでしまう魚の吸引力は未だにオンリーワンの存在です。

なので、ジャークベイト好きを名乗っていながらも一軍ボックスにロングAのシーズン席を確保していないアングラーがもしいたら、騙されたと思ってロングA、特にこの15Aをワンシーズン通して使い倒してみてください。

例えそこでロングAの良さが理解できなかったとしても、スーパーベーシックを知ってるのと知らないのとでは、後々大きな差が出てくるはず。

Back To Basic ってやろうと思っててもなかなか出来る事ではありませんが、自分のジャークベイトスキルを上げるためだったら出来ますよね😁

 


 

そういえば肝心なことを書くのを忘れてました。

冒頭で述べた、”ジャークのリズムはAC/DCのThunderstruck” の件です。

のんだくれはロングAのジャークをサンダーストラックのイントロのリズムで動かしているのです。

 

 

リズムのイメージはこの動画を見て貰えばわかるのですが、イントロの Thun-Der! で二回ジャークして、その後のコーラスでポーズ、の繰り返し。

2回ジャークして潜る深さと、コーラスの間に水面に浮上してちょっとだけポーズを取る長さがちょうどピッタリなのです。

このリズムで動かしてさえいれば、例えよそ見をしていようが、波立ってルアーが見えなかろうが確実にルアーを動かせるし、そもそも飽きっぽいのんだくれにピッタリなのです。

ちょっとやる気がある時は、三段ジャークのリズム用に The Number of The Beast のサビを使うこともありますが、15Aの動きは基本的に全てコレで賄ってます。

まあこんな釣り方ばっかりしてるからボウズ続きなんですけどね😂

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