日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカでは鳥をモチーフにしたルアーやカラーリングが結構存在します。
ストライバーやマスキーなど大型のプレデターが多く、それらが普段から鳥を捕食対象としているということも影響してると思いますが、日本ではちょっとピンときませんよね。
しかしそれ故に日本ではお目にかかれない鳥ルアーが多く、のんだくれのようなヘンタイルワー好きにはタマらんワケです。
今日紹介するフリップインザバード/Flip in the Birdはまさにその典型でしょう。
ネットで見つけてすぐにメーカーに連絡してサンプルを取り寄せてみました。
もうパケ開けるなりクラクラしましたよ。
だって、こんな悪い目つきでメンチ切って来るんですから。
しかも見てくださいよ、このお姿。
トリですよ、トリ。 それ以外のナニモノでもない🤣
言うまでもなくのんだくれは即フォーリンラブ。 Love at first sightってヤツです。
それはまるでアメリカ本土から狙撃用高性能ビームライフルで太平洋を越えてハートのど真ん中を打ち抜かれたような感覚とでも言いましょうか。
うーん… さすがアメリカ。
バカさ加減ではいくら我々ジャポネが頑張ったところで到底太刀打ちできませんね。
ところでところで。
このフリップ・イン・ザ・バード・ルアーカンパニーとは何ぞや?という方がほとんどだと思いますので少しだけノー書きを。
カリフォルニア州サンノゼに拠点を置くフリップインザバードは、元サンフランシスコ49ersのクォーターバックで88年のスーパーボウルにも出場したサム・ケネディが興した会社です。
彼は現役引退後に数多くの事業を手がける実業家として活躍しており、2010年に元々趣味だったバスフィッシングをビジネス化しました。
カリフォルニアデルタをホームグラウンドとしていたので、昔からデルタならではの鳥パターンの有効性に目を付けていた、と。
そして社名に選んだ名前がフリップインザバード。
言葉通りに受け止めれば、鳥のルアーをフリップインする的な意味に受け取れますが、実はこれ、スゴい言葉なんです。
英語に馴染みがないとピンときませんが、Flip The Bird というのはアメリカでは中指を立てるあの仕草を表した慣用句なんです。
つまり現在進行形である Flippin’ the Bird のセンテンスを分解して、都合よく Flip In The Bird と読ませて社名にしちゃったという、ある意味失礼極まりないブランド。
日本的に解釈すると、”有限会社 死にやがれ” みたいな感じですからね、もうほとんどノリで会社作っちゃった的な感じです🤣🤣🤣
このルアーの最大の特徴は、中空ボディの横に鳥の羽を模したモジャモジャラバーをたくさん生やしている事です。
テールから2本のスカートを延ばした従来のフロッグのイメージからすると異質ともいえる強力なインパクトを放っていますが、実際に使ってみるとその効果にシビれること必至です。
まず水への絡みがハンパじゃありません。
水面にへばりつくように、極端に短い移動距離でねっとりと動かす事が出来ます。
しかし意外にもそのアクションレスポンスは軽く、こんな剛毛仕様なのに首振りもお手のもの。
さらに水面でのデッドスロー引きでは、およそ中空ベイトとは思えないような複雑な引き波を立てて泳ぎます。
近年発売された中空フロッグは、カバー抜け性能を高めるためにスラントノーズに流麗なボディラインが主流となっていますが、こいつはぼってりボディに大量のラバーを装着するなどその流れに逆らったデザインなので、ちょっとソソられますよね。
しかしこだわっているのは外見だけじゃありません。
その剛毛はしっかりと植毛されてるので、ちょっとやそっとじゃ脱毛しないだけじゃなく、ラバーの長さを変えてあるおかげで水面でのフレア具合がちょうど良く、まるでフローティングのラバージグを扱っているかのような感覚に陥ります。
これ、もしそこまで考えて設計されてるとしたら、サム・ケネディというオトコ、かなりの手練ですぞ。
ちなみにこのカラーの元となったのは、レッドウィングブラックバード(Red Winged Black Bird)という鳥で、黒に鮮やかな赤が映えるびっくりするほどキレイな鳥です。
この鳥は湿地帯のチュール(日本でいうガマの一種)の中に巣を作り、そのヒナはバスやストライパーなどプレデターの格好のベイトに。
フレッドアーボガストのジタバグやフラポッパーのカラーとして有名なブラックバードの元がこの鳥なのはオールドルアー好きならもうご存知ですよね。
この手の米製ベイトには珍しく、フックにはアウトバーブを採用しています。
これは中空ウィードレスベイト特有の乗りにくさに対するサムなりの回答なんでしょうね。
しかもフックがボディにスリットにピッタリと収まるデザインになっており、ボディ自体も最近流行りのフニャフニャ系ソフト素材ではなく、ちょっとコシがある硬め素材を採用しているので、ウィードガード効果は抜群!
羽毛を表現した凸凹のボディ表面処理も、一般的なつるつるボディのフロッグを見馴れた目には新鮮に映りますね。
水の浸入に対応したラインアイ周りの処理は最近のトレンドに乗っかってます。
ちなみにこのルアー、ノーウェイトなので浸水しても沈まない事を高らかに謳っており、実際このルアーに使われている金属性コンポーネントはフックとリングのみ。
最初は『ハラを上にして浮いちゃうんじゃないのー?』などと斜に構えて見てましたが、使ってみるとそんな事はなく、肝心なところで誘えなかったというあのストレスとは無縁です。
ノンウェイトでこのバランシングが出来るのはちょっとスゲーなと。
でもね、アメルアならではの間抜けなトコもあるんですよ。
見てくださいよ、この足のペイントを! 小学生が書いた絵かよ!
鳥であることをアピールしたいそのキモチは分からんでもないが、きょうびコレはないんでないかい?
トップウォーター、しかもカバー周りとなると日本では真夏の釣りをイメージしますが、ダンによるとこのルアーが炸裂するのは、4月から5月にかけてのスプリングシーズンだとのこと。
この時期は卵から孵化したばかりのヒナ達がブッシュや岸のまわりでフラフラ泳いでいる事が多く、彼曰くカリフォルニアデルタではそのヒナだけを狙っているモンスターがおり、それらは他のベイトには見向きもしないとのこと。
うーん… こういう話を聞かされると、日本でも鳥パターンで炸裂ってのも有るんだろうなーなんて思っちゃいますよね。
実際、琵琶湖では釣り上げたモンスターがライブウェルの中でカイツブリを吐き出したなんて報告もあるので、琵琶湖の鳥パターンを極めたらワールドレコード更新なんてのももしかしたらもしかするかもよ???
コメント
*2011年投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています
1. BWぐっさん October 15, 2011 13:13
5素晴らしい!
ボクの妄想ギアは、いきなりMAXです!!
久しぶりに一目ぼれのルアーに出会いました。
日本上陸が楽しみです。
2. Lagoonist28号 October 15, 2011 14:09
ブログを観た時にもう一目惚れだったんで(笑)
コッチで探してゲットしたんですが・・・(笑)
まず毛の多さにビックリ(笑)
開封して、足の造形に苦笑。
のんだくれさんじゃないですが、「いや、わからんでもないけど・・・」とつぶやいてました(笑)
どちらにしても、いろんな意味で凄いルアーだと思います。
3. のんだくれ October 16, 2011 16:59
ぐっさん
いきなりMax!!(笑)
早ければ来週末にも入るんじゃないかと思います。
今から来春が楽しみです! ←既にトップギア(笑)
4. のんだくれ October 16, 2011 17:00
Lagoonist28号さん
コレ、ほんとに毛が多いですよね(笑)
こーゆーフザけたルアーでオサカナ釣ったらもうイッちゃいますよね。
5. とびっく October 16, 2011 23:51
5こんばんは(・∀・)/
細部まで作り込んでるなぁ~と感心したんですが、このペイントの足って…
イイっすね!(笑)間抜けな感じですがそこがGOOD☆( ゚Д゚)b
6. のんだくれ October 17, 2011 10:44
とびっくさん
気分的にあんまり完璧に作られてるアメルアってあんまりソソりませんからね。(笑) ←こういう感覚になってる時点でおかしいっっ!
7. ウッチー October 17, 2011 21:05
よくよく考えてみれば、キャスト~着水って鳥の動きそのままですよね。時にはキャスト中、ルアーが空中にある段階でのバイトもあるぐらいだし、うんうん納得。
8. のんだくれ October 18, 2011 12:51
ウッチーさん
そう言われてみれば、飛来して着水なんてまさにトリですよね。
やっぱり知らない間に中空ベイト=カエルという先入観で見ちゃってるんでしょうね。
9. rat October 18, 2011 16:03
お久しぶりです
これはかなりのキテレツルアーですね
すでにピンコ立ちしております・・・
早く入荷して~
10. のんだくれ October 19, 2011 03:15
ratさん
もうしばらくのお待ちを。(笑)