ボーマーベイトのヒットに触発されて各社から大量に発射された逆引きルアー、いわゆるバックランナー。
古くはホッパーストッパーに始まり、ブレイクモアのヤツまで、80年代に本家ボーマーベイトが息絶えるまで数々の迷作が出ては消えていきました。
このクローパップもそのひとり。
ビッグジムで有名なあのジムロジャースからの刺客です。
ボーマー ベイトはあれだけのコピーキャットを生んだぐらいですから、やっぱり当時は相当釣れたんでしょうね。
ザリガニの形に近付けつつもピリピリとしたタイトアクションで、しかもスナッグレス効果が高いとくればそりゃ釣れちゃうのも不思議はありません。
しかし基本的なフォルムに大きく変化が付けられないので、どのブランドもオリジナリティを主張するのに躍起になってました。
で、ロジャースの場合はコレですよ、メンタマの無い出目。
なんかコワいんですけど…
ボーマーベイトがプレーンなボディだったのに対し、こちらはファットボディ&シッポのシマシマで対抗してます。
しかしこうして見てみると、まるでマンガに出てくるエビフライ。
このまま定食のオカズに乗せても誰も気づかない… なんてことはないわな。
コイツは立派なリップを奢ってもらってる割には意外と潜らないのでシャロー専門と割り切った方がイイでしょうね。
先が割れたリップは一般的なクランクのように障害物を横にかわすのではなく、正面からガッチリ抱えてでんぐり返しをするように超えてくるので、レイダウンや浮竹などとの相性抜群。
この手のリップを持つクランクは、現在ではフレッドアーボガストのマドバグぐらいしか入手できませんが、カバークランキング好きなら一つは持っておきたいですね。
リップの付け根からスパッと切り取られてるのもクローパップの特徴です。
コイツにはもうひとつ、スーパークローパップという兄貴分がいるんですが、そいつもこんな感じになってます。
水切れを良くしてアクションにキレを出したかったと推察しますが、その効果は十分にあったのではないかと。
昔のアメリカンルアーだけあって、お約束のパーティングラインのズレもしっかり確認できます。
ここまでズレてるともうほとんどブリキのおもちゃのレベルです。
でもやっぱりコレがないと雰囲気が出ませんね笑
そういえば昔、ダイリツマグトーのパーティングラインを削ってキレイにした上でリペイントしたヤツが出回ってた事がありますが、のんだくれにしてみるとあの行為は言語道断。
…と言いつつもしっかり買っちゃったんですけどね。
最近はこんなタイプのルアーを進んで使う人はほとんどいないと思いますが、金属リップならではのタイトバイブレーションはプラ物とは明らかに違うので、機会があったら是非実戦投入してみて下さいな。
…といってももうオールド物を探さないと手に入らないんですよね😭