日々、世界中から送られてくるヘンテコなルアーを見てるので、多少ヘンテコなのを見ても驚かなくなりましたが、さすがにコレはブッ飛びました。
あのリッククランがラッキーストライクの名を借りて発射したその名もR2-D2・・・ じゃなくてRC D2です。
コイツは先日、兵庫のバスショップナイルに遊びに行った時に、縁あってのんだくれの元に来てくれました。
何しろシビれたのは、その新機軸(笑)スクエアビルです。
これはさすがの機動戦士ヴァンダムも面食らった事でしょう。
個性的な形状のリップを持ったルアーはこれ以外にもたっくさんあるんですが、のんだくれがシビれたのはこのルアーがローカルの個人ビルダーの作品ではなく、リック・クランが自信の名を冠してリリースしたという事。
さすが、かの迷作・リッピンリックを世に放っただけのことはありますね。
俯瞰図で見ると、嫌でもリップに目が行っちゃいますね。
大きなリップを持ったルアーの事をスプーンビルと呼んだりしますが、コイツの場合はそんな生易しいレベルではなく、スコップビル、ショベルビルと呼んでも違和感がありません。
そのインパクトゆえ、もしショップで出会ってもレジに連れて行くにはかなりの勇気が必要ですが、なんとコイツったら見かけによらない実力者なんですヨ。
ボディサイズは2.5サイズよりわずかに大きい72ミリ。
リップの存在感があるのでデカく見えますが、ディープクランクとしては大き過ぎず小さ過ぎずで、ユースフルなサイズに仕上げられています。
ところでラッキークラフトRCから始まった1.5とか2.5というサイズ表記は、クランクベイトのサイズ規格という意味では完全なグローバルスタンダードになりましたね。
標準化する前ってどうやってサイズを伝えてたんだっけ? というぐらい馴染んでます。
まあそれだけラッキーRCの影響力がスゴかったという事なんでしょうね。
一見華奢に見えるリップですが、内部にはダブルのワイヤーフレームが貫通していて、強度面での心配は全く無用。
テストも含めてリップラップやワッフル護岸をラフに巻いてみましたが、ビクともしないのはもちろん、しっかりとした剛性感が伝わってくるので心置きなく攻めることができます。
スクエアビルっぽい形状でありながら微妙なアールを描く形状が作用しているのか、障害物に当たってヒラを打ってしまうことがないので、岩などのストラクチャーを舐めるようにしっかりとトレースできます。
肝心のスイミングアクションは、振り幅の小さいハイピッチウォブル&ロール。
しかしそれはバグリーのDB3のような、正確無比なリズムを叩き出す優等生テイストではなく、タイトな中にも一瞬イレギュラーな挙動が混じる、まるでリック・クランの悪童スピリットが封入されているような面白い動きです。
この挙動を意図して組み込んでたとすると、オソロシイ男ですよ、リックは。
強烈に絞り込まれたこのリップの付け根と、鋭くシェイブされたノーズの形状により、驚くほどリトリーブ抵抗が少ないのもこのルアーの特徴です。
今まではヒラ打ちしないクランクとして、ノーマンルアーズのDD-22をザリパターンのシャロークランキングに投入していましたが、正直なトコ、歳と共にあのリトリーブ抵抗に辟易としてました。(T_T)
コイツの登場で、永遠と思われていたDD-22の牙城が崩されようとしています。
ヘタクソな撮影でイマイチ分かりにくいんですが、ボディの後ろ半分は各面ともフラット化されており、断面は丁度四角形になっています。
背中のフラットはリップの延長として潜行をサポートし、サイド&ベリーはフラッシングの役目を担っています。
そのボディ形状ゆえ、それほどコントラストが強くないこのボディカラーでもしっかりと明滅しており、カラーリングとボディ形状、そしてルアーのアクションが三位一体となってバスにアピールするよう仕上がっています。
パッケージ裏の説明に Hand-picked color and shape by Rick himself(リック自身がボディシェイプとカラーを厳選した) と記されておりましたが、実際に水中でこのカラーを見てみると、よくある広告上の謳い文句ではなくホントにそうしたんだろうなと思わせてくれる説得力があります。
ちなみにウェイトは固定重心、ラトルサウンドもコイツのタイトバイブレーション用に調律されているのか、高過ぎず低過ぎずのナイスサウンドです。
ディープクランクでは重要なファクターとなる飛距離も申し分なく、重心移動ナシ、6ftロッド&20lbの70%パワーキャストでも楽勝で25メートルは飛ぶので、それなりのセッティングをすればサイドワインダー並みのカッ飛びベイトになるのではないかと。
又、この手のクランクには珍しくかなり強力な浮力の持ち主なので、当たったら止めて浮かせてスタイルが好きなクランカーには間違いなくハマるでしょう。
フックは前後ともラウンドベンドのブラックニコー。
お約束の中国メイドなので、フックの性能を気にする人は多いと思いますが、のんだくれ的には実釣でも問題ないレベルです・・・ もちろんホーニングはしますけどね。
ただ、コイツのネームだけは気に入らんのですよ、のんだくれは!
これは声を大にして言いたいっっ!
RCというのがブランドになってるというのは分かるんですが、眉間にネームを入れるのはイカンでしょう。
名作のネームはハラに、というのがネームマニアの間では不文律になってるんですから!(ウソ)
まあ冗談は抜きにしても、D2の文字が小さすぎるので、多分コレの名前はちゃんと覚えられないでしょうね。
『何で釣ったの?』
『えーとね、RCの変なリップのディープクランク』 が関の山。
あ! そーか! リップの存在を際立たせたいからあえてこのネームプリントにしてるのか! ← んなワケない。
最近の日本のバス市場ではディープクランクが見事なまでにスルーされてますが、このRC D2は琵琶湖クランカーはもちろん、オカッパラーにも使って欲しい逸品ですので、見かけたら勇気をもってレジへエスコートして頂きたいなと。
なによりもこれだけのパフォーマンスを持っていながらも実売1,000円程度というのが泣かせてくれます。
うーん・・・ リック・クラン&ラッキーストライク、今後も目が離せませんぞ。
コメント
*2012年投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています
1. 広告屋 July 09, 2012 21:37
なんだこのスゲーリップは!!!
かなり思い切ってるねえ〜
のんさん書いてる通り、このリップは引き抵抗抑える形状やねえ!!
2. Lagoonist28号 July 10, 2012 01:31
とりあえず買ってみます!!(爆)
3. のんだくれ July 10, 2012 03:05
広告屋さん
あららお久しぶり。 生きてたのね(笑)
通常はセールスを考えてもうちょっとマイルドな形状に妥協しがちだけど、露骨に自分の考えを通してるだけあって、引き抵抗の軽減効果はバッチリ。
このあたりの我の強さはさすがのアメルア。(笑)
4. のんだくれ July 10, 2012 03:07
Lagoonist28号さん
サンディエゴ周辺リザーバーでのクランキンならかなり使えるんじゃないかと。
というか、こんなブログ読んでないでちゃんとオシゴトしてください(爆)