スーパースプークにチャガーの性能を盛り込んだ欲張りトップウォーター チャグンスプーク Chug’n Spook X9556 / へドン Heddon

へドン Heddonペンシルベイトポッパー•チャガー

 

えー・・・ 今更ですが買いました。 ヘドンの新作、チャグンスプーク。

もう新作と呼べないほど時間が経っちゃってますが、のんだくれ的には初めて触るものは全て新作扱い。

初めて訪れるラーメン屋の人気メニューを食べる時は、例えそれがベタ過ぎると笑われるような老舗のものだったとしてもワクワクするでしょ? それとおんなじです… え?チガウ?

幾度となくオリジナルザラスプークを自前のモディファイでチャガーに仕立てるも、まだ納得できるレベルにまで達していないのんだくれにとって、このチャグンスプークのリリースはある意味残酷とも言えますが、この際ヘンなプライドを捨てて、ヘドンが追い求めるスタイルを見極めてやろうという謎の上から目線でお送りいたします。

 

 

このルアーを一言で表すと【スーパースプークのチャガー版】です。 

それ以上でも以下でもありません。

外見を見るだけでルアーの動きやサウンドなんかも容易に想像できてしまうので、見方によっては意外性がないというか、つまらんルアーと捉えられてしまうかもしれませんね。

でもそんな中にキラリと光るモンがあるんじゃないかと信じてみることに。

 

オリジナルザラスプークの弱点を徹底的に排除したワンノッカーの名品 スーパースプークX9256 Super Spook X9256 / エクスキャリバールアーズ Excalibur Lures
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ボディシェイプ、サイズともにスーパースプークとほぼ同じ120mmです。(比較対象はオリザラですがw) 

外見上の違いはヘッド形状とフックの数ぐらい。

水に浮かせても双方の浮き角にはそれほど大きな差は見られません。

実際の使用感も、従来のスーパースプークユーザーがスムーズに移行しやすい味付けに仕上がってるので、同じ感覚でローテーションが楽しめます。

この辺はプラドコらしいしたたかさというか、ソツの無さを感じますね。

 

 

一番の特徴でもあるカップは、下部をボディ後方へスラントさせて水をうまく流すデザインになっています。 

これによりスライドアクションは非常に滑らか。

しかしペンシルポッパー/チャガーとしては異例ともいえる6㎜も掘り下げられたディープカップにより、スーパースプークとは明らかに違う水押しと、スプラッシュを発します。(当たり前か)

ただ、ラインアイの位置が深過ぎて、そのままではスナップが掛けられないので、スナップ派は予めスプリットリングを咬ませておいた方がいいでしょうね。

 

 

ラインアイのちょうど下あたりを喫水線とした、少しだけケツ下げ姿勢からの動き出しはややもっさりしていて、さすがにスーパースプークの様に機敏とは言えませんが、それでも十分及第点をクリアしています。

アクション上の特徴は、首振り時にキチンとバブルを発すること。

スーパースプークが100%ボディサイドでスプラッシュを出すのに対し、こちらはカップとボディサイド6:4のイメージで飛沫を飛ばし、さらにルアーの後ろにバブルを残すとでも言いましょうか。

誰がどう動かしても間違いなくドッグウォークするので、非常に扱いやすいのもスーパースプーク譲りです。

ただしこのチャグンスプークは2フッカーということもあり、スーパースプークに比べてローリングアクションが大きく、そのためにハイピッチの連続ドッグウォークや波っ気のあるところでは、首振りのタイミングを外すとカップが不用意に水を噛んでダイブしてしまいます。

ゆえにチャギン君はどちらかといえば穏やかな水面で、スロー~ミッドテンポで一回一回しっかりと力強く首を振らせて誘うようなアクションの方が向いてますね。

こんなところにも、状況によってスーパースプークと使い分けてねというコンセプトが見え隠れしています。

 

 

 画像だとちょっと見づらいのですが、ボディサイドはスーパースプーク同様、エラを模した形状になっています。

このエラ造形や不自然なくらい大きな3Dアイはサイドスプラッシュにしっかりと影響しているというか、それを見越してこういうカタチになってます。

これは実際にスーパースプークをいろいろとイジった過程で分かった事ですが、ノーマルの状態と、ツルンとしたサーフェスとでは明らかにスプラッシュの出具合や大きさが違うんです。たかがエラ、されどエラってヤツですね。

 

 

余談ですが、チャグンスプークにしろスーパースプークにしろ、この3Dの目玉を取っちゃうとドッグウォークをした時、ルアーの後ろにバブルトレイル(=泡の道)が出来やすくなります。

このバブルトレイルという名前、日本ではほとんど聞かれませんが、アメリカではルアーが生み出すバブルを重視しているデザイナーやメーカーが数多く存在します。
バブルトレイルがバスの活性にもたらす効果については、正直なところまだまだ思い込みの域を出ない、それどーなの?的な説も多いのですが、西海岸ディビジョンをメインにサーキットトレイルしているのんだくれの友人は、人間には聞こえないけれど、泡が弾けた時の音がバスのスイッチを入れる事があると力説しています。

そして実際にその仮説を元にバズベイトなどの水面系巻き物をチョイスして実績を上げているので、効果があるとは言い切れないけど、バブルがなんらかの要素を持ってるのは間違いないようです。

泡については、例の大事件をやらかして米国釣り業界から追放状態になってしまった “幻の” ビッグバスハンター、マイクロング Mike Long も泡が発するサウンドがバスにもたらす効果について同じような事を話してて、バイエル社のアルカセルツァ(水に入れるとプチプチと泡を発する頭痛薬)をワームに仕込むと明らかにバイトが増えたと言ってました。 

そう言えば80年代にはアルカセルツァを仕込める小さなポケットがあるその名もカンガルーワームをあのマンズが出してましたね。

色んな意味でマンズらしいワームでした。

さらにマイクは、クランクベイトなどでボトムをドラッギングすると、ボトムの土が巻き上がるのと同時に泡が浮上するが、あれもバスの活性を左右する重要なファクターなんだぞと。

マイクは元々生物学者で、魚の生態に基づいたアプローチや理論を展開するのが得意だったので、いつかビッグバスハンターとしてではなく、釣りに精通したバイオロジストとして復活して欲しいなぁ

 

 

ボディにはお約束のワンノッカーラトルがお住まいです。

首振りごとにしっかりとサウンドを奏でてくれ… るんですが、前後方向に長いストロークを確保したラトルルルームではなく、ボディ後部のスペースを間仕切りしてその中にラトルボールを放り込んだどちらかと言えば遊動式になるので、規則正しくカコーン!カコーン!と響くサウンドをお求めのアングラーにはちょっと物足りないかもしれません。

ジミーヒューストンのサインがプリントされた最初期スーパースプークや魚矢フィッシュアロー特注のスーパースプークが出すあの音色とは明らかにトーンが違いますが、この音は十分にアリだと思います。

 

 

フックは最近のプラドコ物には珍しくブロンズのものが標準装備となっています。
しかもヒネリが入った、あのエクスキャリバー・ロテートフックが。

でもあの全盛期?のロテートフックのオラオラ!なヒネリ具合ではなく、かすかにネジれてる?という程度の大人しいモノ。

プラドコって時々こういう意図が見えないことをするんですが、これにも中国四千年の歴史ならぬプラドコ50年の歴史に基づいた思惑があるんでしょうか。

ただ、3フッカーのスーパースプークとは違い、ビッグフィッシュがきても安心の太軸ワイヤー仕様になってるところは嬉しいですね。

 

 

ネームはご覧のとおり、ボディの両サイドにプリントされています・・・ が、のんだくれ的には大きなマイナスポイント。

プリントがキタナい、フォントが安っぽい、そして何よりもハラに入ってないという三拍子の不揃い。 

特にチャギンの方のフォントは、80年代のFMレコパルとかに付いてたカセットカバーのイラストに使われてそうな古さを感じます。 

鈴木英人的なやつね

何言ってんのか分かんない人は、おとうさんかおかあさんか、身近に生息しているバブルの生き残りにきいてね。

どうでもいい事ですが、遠ーい昔、画廊に勤めてた女の子と付き合ってた時、鈴木英人の絵(というかリトグラフ)を買ったのを今ふと思い出しました。

確かアベニューシリーズの#11だったと思うんだけど、30万もする絵をハタチそこそこのガキが買うなんてやっぱり当時はバブルだったんだなぁ

でも今改めて思うと、あれは付き合ってたんじゃなくて、彼女は絵を売りつけるために近づいて来たんだろーな笑笑笑

 

 

そのボディシェイプと実測30gという自重ゆえ、タックルセッティングによっては大陸間弾道ミサイル並みの飛距離を叩き出します。

が、このルアーのアクション特性からいっても、キャストはせいぜい30mぐらいまでにしておかないとチャギンスプーク本来のパフォーマンスは発揮できないでしょうね。

この記事を投稿した2012年当時、このルアーはそれほど注目されていませんでしたが、2015年あたりから南湖をベースに活動する水面系アングラーがこのチャギンスプークの底しれぬ破壊力に着目して、実績を挙げ続けているので、まだ使った事がないという方は試してみる価値アリですぞ。

 

コメント 
*投稿した2012年当時のコメントをそのまま転載しています。

 

  1. いるか July 13, 2012 12:19
    なんかのんだくれさんのテンションの低さが全てを物語ってるような…
    なんですかね、言ってもしょうがないんだけど、出来過ぎた子は可愛くない的な(笑)
    音もサイズも動きも文句なし。使いやすくてそこそこ安い。それこそネームくらいしかケチつけらんない。
    じゃあ使って面白いか?と問われれば何故か微妙。でもオリザラだって良い理由はほとんど同じ…であっちも優等生なのにカワイくて面白い。
    私もコレは文句の付け処がないんですが、しかし下手すると二軍ボックス逝きかも知れないです。
    一発デカイの釣れりゃ手のひら返しだけど(笑)
  2.  
  3. 水澄まし July 13, 2012 23:13
    今晩は!
     買って、パケ入りのまま放置してます。
     使って見るか(笑
  4.  
  5. のんだくれ July 14, 2012 11:44
    いるかさん
    はっはっはっ! ( ̄∇ ̄; )
    思いっきり図星でゴザイマス。
    これ、自分でもよくわからんのですが、めっちゃナイスなのに溺愛の対象にはなりにくいんですよ。
    スプラッシュとか首振りとかしっかりとコンセプト通りなんですけど、ここ一番でラインに結ぶかというと、ちょっと躊躇します。
    なんなんでしょうね、この感覚。
    まだ釣った事ないというのもあるんでしょうけどね。
  6. のんだくれ July 14, 2012 11:45
    水澄ましさん
    パケ入りのまま・・・    みんなそんなテンションなんでしょうか?(笑)
  7. い~もん July 20, 2012 20:46
    暑中お見舞い申し上げます。
    ご無沙汰しております
    今年の春先 兵庫県加東市近郊に釣りに行き、某ショップに寄った際、見て、即購入(笑)
    初夏 某K川(笑)でけっこう投げましたが、あたりなし(涙)ですが、気に入ってます♪水面はバズで鯰のみ(泣)
    とうとう梅雨明けしましたが、このルアーで、まず1本 釣りたいです!!
    チクショーと鳴くのかっ!?
    長渕剛で「蝉」♪
  1. のんだくれ July 22, 2012 10:20
    いーもん
    あの川でコレを投げるのはある意味男らしい(笑)
    さらにそれでチヌ釣ったら相当イバれるぞ。
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