こいつなら必ずやってくれる!バス釣り黎明期の日本を震撼させた脅威の超音速ルアー スーパーソニック Super-Sonic 9385 / ヘドン Heddon

へドン Heddonリップレスクランク
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星の数ほど市場に溢れかえるルアー達。

その中で一切の浮気をせずにひとつのルアーだけを使い続けるのはなかなか難しいものがあります。

しかしかつてはそんな使われ方で伝説のポジションを獲得したルアーも。

その中のひとつ、スーパーソニックが今日のゲストです

 

スーパーソニックとは

 

スーパーソニックはヘドンが1957年にリリースした”バイブレーション”プラグです。(実際には前年には販売開始)

今のようにリップレスクランクという呼び名すらない時代だったので、呼び名は専らシンキングバイブレーション。

パニックになって逃走するベイトフィッシュの泳ぎを再現しただけでなく、投げて巻くだけというイージーな使い方もあって全米で大ヒットとなります。

日本ではラージマウスバスの聖地芦ノ湖で爆発ヒットとなり、その名が広まったのは有名な話。

当時はシンキングバイブレーションを総じて「ソニックタイプ」と呼んでたりもしましたね。

それゆえ一時期、芦ノ湖ではスーパーソニックでなければブラックは釣れないと言われていたこともw

まあこの辺の経緯はネット検索すれば死ぬほど出てくるのでここで説明するまでもないでしょう。

しかし、そんな芦ノ湖と同じ場な状況は日本全国でも起きていました。

遡ること今から40数年前。

これは当時名古屋市名東区に存在していた東新堂釣具店でのオハナシ。

ここの店主がスーパーソニックの激プッシャーだったのです。

雑誌での情報は限定的、もちろんネットもない時代、釣具屋の親父といえば良くも悪くも釣りの先生みたいなものでした。

あそこは釣れる、このルアーがいいぞなどなど、今思えば信憑性の低そうな偏ったトークwを武器に商売していたのです。

東新堂の店主はそんな調子ですべてのバス少年にスーパーソニックを勧めていたのでした。

その結果、その釣具屋の最寄りの池では水辺のほぼ全員がスーパーソニックを投げているという事態に。

今思えば、実際に釣れるだけでなくロスト率の高いスーパーソニックは回転率最強の商材だったんでしょうね😁

しかしスーパーソニックは本来の性能の高さもあって確実に実績を叩き出しました。

そりゃそうですよね。

コーモランのパチモンや錆びた100円スプーン、ホコリまみれで元の色が分からなくなったジェリーワームなどが基本ラインナップだったバス少年のボックスに海外からの転校生が入ってきたんですから。

貴重なお年玉という大枚をはたいて招き入れた助っ人なのでロストを恐れて最初はなかなか投げられないのですが、まわりの友達が釣るのを目の当たりにして、いずれバカのひとつ覚えのように投げ続けるという図式が出来上がります。

そして釣れた瞬間、「やっぱスーパーソニックってすげー!」となり、少年たちの頭の中で伝説化されたのでした。

たとえ釣るまでに3年かかろうとも、たとえそれが25cmのバスであろうとも。

この手のスーパーソニックにまつわるエピソードは東新堂だけでなく日本全国で起きていたのは当時を知る全国のアングラーからの証言からも知ることが出来ます。

おそらく当時のスミスの営業が同じセールストークで全国行脚していたんでしょうね。

 

スーパーソニックのサイズ・重さ

 

話を元に戻しましょう。

スーパーソニックのサイズは全長53ミリ、自重1/2oz。

しかし実際にウェイトを測ってみると10gを切っています。

個体によっても数値にバラツキはありますが最も重い物でも10.2gしかありません。

 

 

弟サイズとなるオリジナルソニックも3/8ozと謳っていますがこちらも実測8g程度。

カタログ値と実際が違うのはアメリカンルアーあるあるなので特に驚きもしませんが、ここまであからさまに違うとなにか裏に思惑があったんじゃないかと勘ぐってしまいますね。

 

もはや伝説となったシャークフィン

 

スーパーソニックの最大の特徴はやはりこのシャークフィンでしょう。

この意匠はそのものズバリのコピー品からインスパイア系までありとあらゆるルアーに使われ、もはやアイデンティティを超越した存在になっています。

 

シャークフィンを採用したコットンコーデルのウォーリーダイバー

ここまで使われまくっているのはこのシャークフィンがバイブレーションを増幅させる効果があるため。

その効果はラトルトラップやラッキークラフトのLV-100の背ビレを見れば明らかでしょう。

 

 

そして製造時期によってフィンの厚みが違うというルアオタが泣いて喜ぶようなネタも提供してくれています。

 

 

更に当時バイブレーションを生むと言われていたフラット形状のヘッドもやはりスーパーソニックの特徴のひとつ。

 

 

実際にはフラットヘッドだけがアクションを発生させているわけではなく、ウェッジシェイプのベリーなどボディ全体が動きを生み出しているわけですが、アングラーを「釣る」という意味ではとても大きな意味がありました。

ゆえにこのフラットヘッド形状も各社にコピーされまくったのでした。

 

 

ラインタイ、フックハンガーなどリギングはすべてヒートンのねじ込み式。

 

 

フックハンガーはボディ側を凹ませることでカップの役割を持たせてフックの自由度を抑えています。

日本ではあまりやる人はいませんが、ボートドッグなどで上下にルアーを踊らせるヨーヨーメソッドの際にフックがラインを拾ってエビになってしまうのを防ぐのに大きな効果を発揮。

沈下姿勢などまったく考えられていない時期のルアーなので、これがないとぶっちゃけ釣りにならないのです。

プラドコになってもこのクラシックなリギングスタイルを踏襲しているのにはちゃんと意味があるのです。

 

ボディ内部のウェイトは完全固定されたノンラトル方式ですが、ラトルトラップなど多くのライバルが出現したことで1980年には複数のラトルを搭載したジャラジャラサウンドのラトルソニックをリリース。

その後ラトルサウンドの違う数タイプを発売するも最終的にはワンノッカーに落ち着いています。

最初期ノンラトルでソニックの威力を知った当時のバス少年にとって、ラトル入りソニックは違和感でしかありませんでしたが、これも時代の流れですね。

 

今も古さを感じさせないキレのある泳ぎ

 

気になるアクションは「これぞバイブレーション」というオーソドックスな泳ぎ。

立ち上がりは非常にクイックで、ノーズからシャークフィンにかけてのラインを軸としてキビキビと泳ぐ様は釣れることを約束しているかのよう。

このモデルはノンラトルでありながらフックとリグとのスクラッチ音を発するので、これも釣れる要素なんでしょうね。

バズベイトでいうところのスクイーク音的な。

この記事を書くにあたり何十年ぶりかで投げ込んできましたが、登場から70年以上経とうと言うのに全く古さを感じさせないどころか今だ現役感すら抱かせる動きはさすがのヘドンといったところでしょう。

ぶっちゃけボトムでピンコ勃ちするとか超低重心とか、イマドキのリップレスクランクにあるようなフィーチャーとは無縁ですが、むしろ令和の今、このクラシカルスタイルで釣りたいと思わせてくれる訴求力力にあふれています。

そんなスーパーソニックですが、当時の使い方はタダ巻き一択。

フォールさせるとかジャークするとかの小技は一切無し。

親父から借りた海用の投げ竿とリールで糸ヨレに苦心しながら早巻きするのが唯一の方法でした。

しかしそれでも釣れちゃったんですよね。

こいつさえ結べば釣れる、一撃必殺の相棒的な最後の切り札でもありました。

 

栄光のライトニングボルト

 

形状だけではなくペイントワークでもスーパーソニックは魅せてくれました。

このライトニングボルトパターンはハナタレのガキには神々しくさえ見えたもんです。

今はもう持ってませんが、一番最初に買ったスーパーソニックはソリッドイエローにライトニングの入ったYでしたが、そのカッコ良さは未だに色褪せてません。

 

 

尚、スーパーソニックはヘドンのルアーの中でもカラー数が多い事で知られており、特にソニックはノベルティなども含めると気が遠くなるほど。

そして収集に命を賭けたガチモンのコレクターがいるのでレアカラーともなると我々日本人では介入の余地がないほどの鳥肌価格で取引されています。

タイニートーピードも同じ系統なので気になった人は調べてみて。

本場のコレクターがいかに狂ってるかがよく分かりますからw

 

 

ちなみにこの時期のスケールパターンにはストッキングが使われています。

このストッキングのパターンも製造時期によって違うのでおヒマなら調べてみて。

 

フックが判別材料にも

 

最初期のフックはポイントがやや外側を向いたレギュラーシャンクのマスタッド?を採用。

フックポイントが恐ろしく甘いので実釣用はしっかり研いておかないと泣きをみることに。

サイズは#4ですが、今の4番よりも明らかに小さいのでフック交換の際には#6の方がしっくりくるかも。

 

 

スーパーソニックはスプリットリングを介さないヒートン直付けのリギングなのでオリジナルのフックのまま残っていることが多く、ラトルタイプと共にフック形状による年代判別がしやすいルアーのひとつでもあります。

 

ヘドン伝統のステンシルネーム

 

ネームはハラにしっかりステンシル。

のんだくれのネーム好きは最初のスーパーソニックのネームを愛でたところから始まったのかもw

ちなみに最初期のネームには−(ハイフン)が入っていますが、それ以降はただのブランクに。

 

 

こういうしょーもない違いを見つけてニヤニヤできるのは歴史のあるルアーならではですね。

傍から見たらキモい以外のナニモノでもありませんが。

ラトルソニックの名前が入ったものもあるので気になった人は探してみて。

そうそう、どーでもいいことですが、バスフィッシング黎明期にはヘドンではなくドヤ顔で「ヘッドン」と呼んでいるおっさんもいました。ゼットンかよ。

 

入手難易度はカラーとモデル次第

 

そんなスーパーソニックですが、プラドコによる90年代末の再販を最後に生産されていないので入手は中古市場で探すことになります。

ラウンドベンドフックのプラドコ物は比較的安価で出ているのでお試し購入ならそちらがオススメ。

先述のYカラーなどノスタル爺が好きそうなカラーは競争率高めなので入手にはちょっと覚悟が必要かもしれません。

いずれにしろ今このルアーを探す人は明確な目的を持っている人なのでリーズナブルなのを見つけるのはなかなかムズカシイでしょう。

 

おわりに

 

スーパーソニックが登場した頃と今とでは、ルアーの種類も環境も情報量もまったく違います。

その中で妄信的にひとつのルアーだけを投げ続けるのは、ある意味苦行でしかありません。

しかし過去の自分の釣りを振り返ると、ルアーをひとつだけしか持たず出撃した事で学んだ事が多かった記憶が。

それがジェリワームの時もあればベビートーピードだったり、オリザラだったりバスハンターだったり。

シャローだろーがディープだろーがそれだけをひたすら投げ続けたお陰で見えてきた事は今でも宝物だし、それで釣ったことによって強いコンフィデンスを得ることも出来ました。

そしてその夜は好例のオナニーも忘れてw布団の中で指のザラつきを確かめながらファイトを反芻し、ヒットルアーを夢うつつの中で唯一無二の信頼できるバディに昇華させる事が出来たのです。

これは情報も大量のルアーを買うお金が無かったからこそ味わえたシアワセであり、ルアーフィッシングの最大の楽しみと言えるでしょう。

バスが釣れなくなったと言われて久しいけれど、もう一度あの頃を思い出して「こいつなら必ずやってくれる!」という新たなバディを探す度に出るのも悪くないかもよ😁

 

 

 

 

 

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