派手さはないが実力のあるクランクベイト
毎年次々と新作ルアーがリリースされる中で、存在を忘れてしまいがちなルアーがあります。
定番とまではいかないけれど、長年に渡って売れ続けるロングセラーがそれに当たりますが、今日のゲスト、ストライクキングのプロモデルシリーズ3はまさにその典型でしょう。
日本ではKVDシリーズやXDシリーズ人気の影に隠れがちですが、実はめちゃくちゃ使える実力派のクランクベイトなのです。
長年に渡ってストライクキングの屋台骨を支えてきた存在
プロモデルシリーズはKVDのラインナップが登場するまでストライクキングのクランクベイトラインの屋台骨を支えたメイン商品。
登場は90年代の初めだったと記憶していますが、シリーズ4、シリーズ5 と共に、何度かモールドを変更しながらもストライキングの金看板を背負っていました。
しかしストライクキングがケビン・ヴァンダムとの契約後にリリースしたレッドアイシャッドが大ヒットし、さらにKVDスクエアビルがクラシックを制した事でアングラーの注目は全てKVDに。
一時期は、このままKVDと入れ替わりでプロモデルシリーズは消滅への道を歩むのか?と思われました。
が、プロモデルの名前で長年金看板を背負ってきたクランクはそんな事では怯まないどころか、ますますパワーアップするのでした。
プロモデルシリーズ3のサイズとそのポジション
プロモデルシリーズ3はリップを含めた全長73mm(ボディ長52mm)、自重1/4oz (実測9.5g)の実用的な小型クランク。
実売5ドル前後という安さと、ウォルマートなどの量販店で容易に入手出来るという強みを持った、ダイワのピーナッツのようなベーシックな機能を持ち味とするクランクベイトです。
ベーシックゆえKVDのような栄光とはあまり縁がなく、XDシリーズのように明確なコンセプトを打ち出してるわけではないので、日本では “このクランクどうなんだろ?” と気にされつつもスルーされてしまっている、ちょっと可哀想な存在でもあります。
でもコイツはスルーすると、もったいないオバケが出ちゃう案件ですぞ!
意外にもタイトなスイミングアクション
クランカーにとって一番気になるのはやっぱりスイミングアクションですよね。
このプロモデルシリーズ3の泳ぎをひと言で表すと、ピリピリ系のタイトウォブリング。 このひと言に尽きます。
しっかりと水を掴みそうな幅広リップゆえ、ワイドウォブリングのブルブル系アクションをイメージする人が多いのですが、このプロシリーズ3は、え?と驚く人もいるぐらいタイトアクションなのです。
同じプロモデルシリーズでも4サイズの方は割と大きなウォブリングなので、余計そう思えてしまいます。

バージョンアップで進化し続けるプロモデルシリーズ
エッジを薄く処理した効果も相まって、イイ感じのタイトなベイトエスケープアクションを演じてくれます。
のんだくれの記憶が確かならば、初期のプロモデルシリーズはこんな風にエッジが処理されていなかったので、地味にバージョンアップしているという事でしょうね。
バージョンアップといえば、プラスチックの素材自体も耐久性向上が目的なのか、現行モデルはやや柔らか目の素材になっています。
よってリップラップやコンクリート護岸などでガシガシと巻き倒すと、リップが派手に削れるという事象も。
そういった意味では、このプロモデルシリーズは価格帯も含めて消耗品と理解した方がイイのかもしれませんね。
あの名作に似たラトルサウンド特性
なんの変哲もないラウンドシェイプのクランクベイトに見えますが、実はこのプロモデルシリーズだけの特徴があります。
それは腹側のフラットな造形。
ここもリップと同様に初期のモデルにはなかったものですが、このフラットにどんな効果があるのかは全く分かりません。
どなたかこのフラットな造形がもたらす効果をご存知の方がいらっしゃったらご教授を。
ちなみにボディの中にはラトルとなる固定ウェイトの他にボディ内を縦横無尽に跳ね回るマルチラトルが封入されています。
しかしスイミングタンクで確認する限りでは、一般的なクランクベイトのラトルサウンドよりもかなり大人しめ。
感覚的には、シックスセンスルアーズのクラッシュ300DDのデビュー時のキャッチコピーだった、”うるさ過ぎず静か過ぎない ( Not too loud, Not too quiet )” に近い感じでしょうか。

バンディットシリーズ200との比較
このクランクベイトと対極にあるのがバンディットのシリーズ200。
サイズも見た目もほぼ同じように見えますが、大人しめのプロモデルに比べてバンディットは大きなブルブルウォブリング。
ラトル音もしっかり響いて、アトラクター要素の強いセッティングになっています。
のんだくれの米国在住の友人曰く、この二つは必ずセットで投げていて、その日によってバスの反応が違うからどちらも外せない、と。
メソッドとしては理解しているけれど、クランクベイトのローテーションを実践してるアングラーは意外と少ないので、やってみる価値はあるんじゃないかと。
のんだくれはほとんどやってませんけど😁
定番色ルートビアの秘密
カラーはストライクキングの定番色ルートビア。
モスグリーン⇨ホワイト⇨オレンジベリーという3つの要素をベースに、グリーンのマイクログリッターとブラウンのスプラッターを載せた釣れ釣れ要素テンコ盛りなのんだくれのオキニ色です。
個人的にスプラッターパターンが好きと言うのもあるんですが、障害物に当たった時に全く違うトーンがチラッと見えた時のリアクション効果を信じているのでこのカラーがピッタリかなと。
しかも店頭などで選べる時は、できるだけグリーンの面積が多いものを選んでます。
ストライクキングに限らずアメリカンルアーはペインターの癖が出やすいので、同じ色でもカラー要素が大きく違って、選ぶ楽しみもあるのがイイですね。
クランクベイトのカラー選びと “原産国” による違い
ストライクキングのクランクといえばセクシーシャッドが有名ですが、のんだくれはほぼこのルートビアとオイスターしか投げません。
残念ながらこのプロモデルシリーズにはオイスターのカラー設定がない(2020年現在)ので、職権濫用でカスタムオーダーしたいぐらいです笑
あ、こんなこと書くとのんだくれはルアーのカラーにうるさいと思うかもしれませんが、基本的に一部のクランク以外は全く無頓着です。
むしろ、あえて釣れないと言われるカラーでトライしたいと思ってるぐらいですから😁
そうそう、クランクベイトのカラー選択はなかなか迷うところですが、一番人気ではないけれどカタログから落ちずに長い間残ってる伏兵的なカラーを選ぶのも一つの手ですね。
可否はともかく、自分の基準で選んだカラーで釣れると大きな自信にもなるので、投げ続けられると言うメンタル的なメリットも生まれます。
少なくともメーカーが言うところの “人気カラー” で釣るよりはテンション上がるはず。
もうひとつ、アメリカンクランクの話になると必ず出てくる “〇〇製がイイ” という類の生産国による違いに関しても、のんだくれは気にしてません。
“見るからに形が変わって別物になっちゃった!” というケースはもちろん別ですが、生産国が違うモデルでも普通に釣ってるケースを幾度となく見てます。
これもカラーと同じで、原産国の違いが自身のコンフィデンスに繋がるアングラーは気にすればいいし、それが分からん人は気にする必要は全くないんじゃないかと。
プロモデルシリーズ3のフック
フックは前後とも#4が標準ですが、のんだくれはVMCのやや太軸のものに交換しています。
これはスイミングアクションをよりタイトにしたいのと、早巻きでの安定性をアップしたいから。
実際にはほんのわずかしか変わりませんが、まぁキモチ的にね😅
まとめ
XDやKVDに比べて地味なのでショップに並ぶことがあまり無く、愛用してる人もあまりいないという寂しい状況ですが、長年に渡って第一線から落とされることもなく、毎年新色が追加されている事が何よりも釣れる証拠。
華やかなスター選手ではないけれど、いざと言うときにしっかり仕事してくれる地味なスタッフが皆さんの会社にもいますよね?
タックルボックスにもそういう人材は必要だと思いません?😁