いつも言ってますが、ルアーは見た目が命です。
見た目で惹かれなければ店頭で手に取ることもないし、膨大なネット情報の中で目に留まることもありません。
その第一関門をクリアしないことにはフィールドで活躍することも出来ないワケです。
しかし人間の感覚は人それぞれ。
当然のことながら見た目の評価は人によって全く違います。
そんなルアーの見た目において見事なぐらい意見が分かれるルアーが今日のゲスト、L−BASSジャークベイトです。
L-BASSジャークベイトとは
L−BASSジャークベイトはデュエルが2021年に発表したL−BASSシリーズのミノー担当。
あらゆる入射角の光を反射し拡散するというレンズフィニッシュを採用したこのシリーズは、ジャークベイトの他にクランクベイト、ペンシル、ポッパー、リップレスクランク、果てはエビまで多岐にわたるラインナップを誇るデュエル渾身の作品です。
元々デュエル製品のクオリティの高さとほどよいキワモノ感wにヤラれてた事もあり、ソッコーで入手しました。
サイズ・重さ
L-BASSジャークベイト80SPのサイズは80ミリ、自重9.5g。
同じボディのフローティング仕様もラインナップしています。
近年ジャークベイトといえばラトリンログのASDRB1200、ロングAの15Aに代表される115ミリサイズが標準かつ人気の中心となっていますが、あえてこのサイズ感で勝負してきたところにデュエルのしたたかさが感じられます。


日本のベイトフィッシュの平均サイズってやっぱりこのくらいですし、かつてビーフリーズ78でイイ思いをした世代にとってはこれほど安心できる大きさはありませんから。
特徴
アングラーを選ぶレンズフィニッシュ
このルアーの特徴はなんといってもこのレンズフィニッシュ。
レンズ効果を持つというプリズムシートを入れることによって極上のギラギラ感を演出しています。
リアルとかナチュラルとは一線を画したアプローチゆえ、いかにもな輝きに辟易とするアングラーも多数いますが、逆にこのギラギラのトリコ😍になってしまうアングラーも多いのが特徴。
好きか嫌いかがはっきり分かれるというヤツですね。
個人的にこの手のキワモノ感は大好物ですが、好き嫌いを超越した話をすればこのレンズフィニッシュはなかなかのもの。
水の色を自身のボディに投影したり反射したりを繰り返すクローム、一方向からの光だけを強烈に反射して強い明滅効果を発揮するインサート反射プレートと違い、あらゆる角度からの光を常に反射し続け、輪郭が曖昧なボワンとした光のカタマリとなるレンズフィニッシュは水温が落ちていく過程で多くみられるステイン(ささ濁り)ウォーターにおいては確実に効果があると思ってます。
とはいえこのフィニッシュが好きになれないアングラーにとっては、それがどうしたの世界でしょうけどw
ガシガシ巻ける強靭リップ
リップはノーズ先端から伸びるスタイルを採用。
この形状はダート幅が大きくなり、飛距離も稼げるのでステイシー登場以降ジャークベイトの一つの定番となりました。
ログのようにリップが薄くないので強度的にも優れているのが◎
個人的にリップラップをガシガシとジャークしたり、1mぐらい強くリッピングするのが好きなのでこれは大きなアドバンテージ。
メガバスのワンテンをリップラップで派手にリップするのはちょっと勇気が要りますからね。
又、頭部にはラトルボールを内蔵し、小さな挙動でもチッチッと小気味よく鳴いてくれます。
でもこの貞子アイはちょっとよろしくないですねー
なんというかリアルに寄せたいんでしょうけど、全然リアルじゃないんですよね。
しかもL−BASSはレンズフィニッシュというリアルとは別のアトラクト要素がメインコンセプトなのに、ここだけ変にリアルっぽくてチグハグな感じがするのです。
ここは普通に丸目にして欲しかった。
いや、むしろかつてヨーヅリブランドで出してたダイヤモンドちっくなアイでも良かったぐらい。
まあそれだと思いっきり売れなくなりますがw
専用ウェイト&ハンガーの超低重心設計
メインウェイトは専用開発ウェイトを採用。
フックハンガーもエイトリングではなくウェイトに合わせたものを採用することで超低重心となり、ジャーク後のクイックな姿勢復元を実現。
数多のジャークベイトを使ってきた玄人アングラーでも満足できる仕上がりになっています。
この辺の作り込みはさすが老舗って感じですよね。
リアル系ルアーではないけど、こういった細かな造形を忘れないあたりにもヨーヅリらしさが感じられます😁
アクション
ジャーク時のアクションは、素直なサイドtoサイドの小気味良いダートアクション。
何も考えずにロッドをチョンチョンするだけで右へ左へキレイなドッグウォークが楽しめます。
どこへ飛ぶか分からない、いわゆる予測不能なダートではないので次の挙動がある程度読めて、ストラクチャーギリギリに攻める時に役立ちます。
いつだったか米友人とカリフォルニアデルタに釣行した際、垂直護岸ギリギリに投げてジャークの度に壁にぶつけるメソッドの威力を見せつけられた事がありますが、アレもこのL-BASSジャークベイトなら問題なく出来ちゃいます。
この辺は超低重心設計が効いてる感じですね。
低重心といえばジャーク後に一瞬ボディを身震いさせるあの動きも備わっています。
かつての名ジャークベイト、ティファのアユチュピも同じ挙動をするのですが、激スレ期の相模湖のサイトジャーキングで幾度となく助けられた動きでもあるので、これだけでも買った甲斐があったなとw
リトリーブでのアクションはローリングですが、このサイズにしてはやや強めのアクションなのでこれは北米マーケットを意識したニホヒがしないでもありませんw
カラーはもうちょっとバリエーション欲しい
レンズフィニッシュをウリにしたシリーズなのでカラーバリエーションはどうしてもそれをメインとしたラインナップに。
それはそれで仕方ないのですが、ルアー自体の性能が非常に高いのでレンズフィニッシュ無しのシリーズを出してほしいなーという無い物ねだりw
フックは#6サイズ
フックは前後とも#6サイズを採用。
ジャークベイトは他のルアーと違ってポーズ中にルアーにじゃれ付くというか、寄り添うようなバイトがあるので、同じフック重量でで#5サイズがあったら嬉しいな。
ネーム
ネームは背中にドカンと一刀彫り。
ブランド/名前/サイズ/スペックまですべて入ったゴージャス仕様になっています。
ジャークベイトのネームはフックサークルで消えやすいので背中に大きく入れてくれるのはGJ。
どこでも手に入ると思いきや…
デュエル/ヨーズリブランドだからどこでも買える!と思いきや、意外と売ってないのがこのL-BASSシリーズ。
仕入れ担当の好みに左右されやすいカラーリングだからでしょうか、実際これを入手するまでにちょっと時間が掛かりました。
イメージ的にはキイロでの遭遇率が高く、プロショップ系ではほぼ見なかった感じですね。
そのカラーリングゆえ素人さが避けられたのは間違いないでしょう。
でもそれってウチはルアーの本質を見てませんって宣言してるようなもの。
良いものを良いと案内できる店が減ってるのは、明らかにショップのスキル不足でしょう。
このご時世、これだけのパフォーマンスが880円とかで手に入るという事実は見逃してはならんと思うワケですよ。
少年ルアーの価格で最強のパフォーマンスが手に入る事が分かったら、普通は黙ってられませんからね😁
おわりに
カラーや見た目で食わず嫌いなのはルアーに限らずよくある事。
しかし食わず嫌いで本当にバリューのあるルアーを逃しちゃうのはもったいないオハナシ。
ルアーの良し悪しは実際に使ってみないと絶対に分からないという鋼鉄の掟があることをお忘れなく。