カエルのサンプルが届きました。
昨年のICASTショーで見て、なんじゃコレ?と同時にフォーリンラブしてしまったカエル、ダイバーフロッグです。
突然の仕様変更などなど、色々と振り回されましたがやっと形になりました。
このフロッグは、以前紹介したクラッキンクレイフィッシュに続くラリーダールバーグシリーズの第2弾として、あのパチで有名なリバー2シーが真剣に開発したオリジナルモデルです。
フライタイイング界でもその名を馳せるダールバーグは、ストップ&ゴーだけで艶かしい動きが再現できるフライマテリアルの持つ自然な動きをバスルアーに応用できないかを日頃から研究しており、そのひとつの答えとしてこのダイバーフロッグが誕生させたのです。

今回届いたのは塗装テストのサンプル。
昨年見たショー用のサンプルとは微妙に違っていますが、製品版もほぼ同じ仕様でのリリースです。
当時、すぐに足がちぎれるくせに超高価だったガルシアフロッグが買えず、コーモラン謹製の名フロッグ・かへるくんがオトモダチだったオサーンとしては、この足のフォルムを見るだけでパンツの中に生温かい広がりを感じてしまいますね。
ダイバーフロッグの最大の特徴は、この奇抜な形状のダイビングリップです。
最初見た時、あまりのヘンテコさにのんだくれも固まりましたが、開発者のラリー・ダールバークのとってもアツい話を聞いて、何故この形状になったのかがすぐに理解できました。
彼曰く、カエルが泳ぐときは絶対に水面から頭を出して泳がない。 だから自然な泳ぎを再現するには潜らせるのが絶対条件だ、と。
しかしダイブさせる為のリップをクランクベイトの様にアゴ下に付けると、どうしてもウォブリングしてしまう。
だからルアーを不必要に泳がせないためにこの形状になった、と。
さらに、そのリップもフロッグを使う状況を考慮してウィードガード一体形状にしたんだ。
そしてそのウィードガードの角度も… と、放っておいたら死ぬまで喋りそうな勢い。
ラリーのいう通りストップ&ゴーで潜らせると、本物のカエルが水面直下でツンツーンとキックする様子を再現していてなかなかのものです。
またリップの素材自体もフッキングを考慮して軟質プラスチックを採用するなど、そのトークに熱が入るのも分かる渾身ぶり。
実際このリップは潜り屋になるためだけでなく、スナップを利かせたロッドアクションではダーターのような捕食音も出せるので、フロッグとしては異色の存在。
クラッキンクレイフィッシュのシッポのアイデアといい、このリップ形状といい、ラリー爺、伊達に歳食ってません。
でもルアーの命とも言える目にがっつりとリップがかかるデザインはちょっと日本人では考えられませんよね。
特にフロッグは飛び出た目がルアー全体の印象を決定づけてしまうだけに、この設計には驚きました。
それだけ動きにこだわった結果なのか、それとも途中でメンド臭くなって妥協した(笑)のかはラリーのみぞ知るってトコでしょうか。
泳ぎの演出の為にリップとタッグを組んでいるのがこの足です。
この足自体にも浮力を持たせてあるので、インリン様真っ青のM字開脚もお手のものです。
30センチづつ刻むストロークリトリーブでは自然なキックアクションが演出できるだけでなく、タダ巻きではバジングっぽくビロビロしてくれます。
素材は強度を考慮してエラストマーを採用。
ガルシアフロッグのようにバイトされて戻って来たルアーを見て絶叫する事は確実に減ってるでしょうね。
しかし他の樹脂素材に影響を及ぼすエラストマー素材ゆえ、他のプラスチックルアーと一緒に収納できないのがちょっとメンド臭いトコロ。
メンド臭いといえば、足の交換もそう。
コイツにはスペアの足が同梱されており、実際に交換にもトライしてみたんですが、結構手こずりました。
そのあたりはリバー2シー側も分かっているようで、交換用の専用ツールが同梱されております。 が、それを使ってもメンド臭い。(‘д`;)
足の付け根のパーツが取り外し可能なのかと思いましたが、外せる様子もなく、結局は専用ツールでグイグイ押しこまないといけません。
いくらエラストマーが強い素材だと言っても無理に引っ張ったらちぎれるのは明白なので、交換には少々気を使います。
キックアクションが秀逸なだけに、これは改良の余地アリですね… ということをメーカーにもリポートしておきましたですハイ。
ボディ本体は中空ではなく、硬質発泡プラスチックを採用しています。
元々このフロッグは中空フロッグとして開発がスタートしたんですが、従来の中空構造では浮力が強くなり過ぎてしまって、意図する泳ぎが出来なかったとのこと。
ゆっくりと水面に浮きあがってくるカエルの所作を突き詰めていった結果、自然な浮上スピード設定が可能な発泡プラ素材に落ち着いたんだそうな。
アメリカンブランドにしてはなかなか気合の入ったフロッグパターンも高ポイントですね。
カエルのフォルムにこだわった背中とは違って、ハラ側はこんな感じの味気なさ100%のフラットベリー。
なんかもうちょっとこだわってくれてもイイような気がしなくもありません。
これはサンプル品なので手描きの番号が入ってますが、製品版のこの場所には是非ともネームを入れて頂きたいところです。
ボディの高さを考慮して、フックはオリジナルのワイドゲイプを採用しています。
ワイヤーの太さを見てお分かりの通りライギョ用ではないので、ライギョが共生するエリアでの使用にはちょっと不安が残りますね。
三平三平を憧れの眼差しで追っていた方はご存知だと思いますが、その昔、日本にはポカン釣りというカエルを使ってナマズをたぶらかす伝統釣法?がありました。
ラリー自身も子供の頃、カエルのケツ穴に麦わらのストローを差し込んで空気を吹き込み、水面でジタバタさせてバスを釣っていたそうです。
そんなノスタルジックな想い出がこんなヘンタイルワーを作らせちゃったんでしょうね。(笑)
ラリー・ダールバーグ。 やっぱりただのノスタル爺ではありませんね。
コメント
1. T19 January 26, 2011 20:16
私にとってもドストライクなルアーです!(笑)
Capt Kens Bass Frogで良い思いして以来、この手のフロッグルアーを集めています。
国産メーカーでこういう大胆なルアーは、最近滅多に見なくなりましたから、余計に輝いて見えます。
2. のんだくれ January 26, 2011 20:53
T19さん
おお! ケンズフロッグをアメリカから引っ張って来たんですね。
アレはホントにキテますね。
ケンとも何回か話した事ありますが、彼はカエルの事しか考えてません。
だからこそあんな足を思い付くんでしょうけどね。
3. カープヒロシマ January 26, 2011 20:59
今日、近所で今頃ですがザリガニを手に入れました(笑)ポイント使ってですが…
オモシレーです、いろんな所が!
おしゃべり爺のコダワリっぷりには憧れさえ感じますわ。
このカエルも近所で買えることを願ってます(笑)
4. 赤ベロ January 27, 2011 12:49
昨年の夏に動画サイトで見てから、ずっと気になっているのですがプラのウィードガードが
しっかりしていてフッキングに影響するような気がするのですがアメルアを使う者が、そんな事を気にしてはダメでしょうか?(笑)
5. のんだくれ January 27, 2011 15:57
カープさん
…ということは8のつく店ですね。
6. のんだくれ January 27, 2011 16:00
赤ベロさん
コメント読んで思いっきり吹きましたがな。(笑)
ウィードガードはフッキングが心配になるほどは強くないですよ。
ラバージグのブラシガードよりもちょっと弱くなった程度なんで。
7. ドバヤン January 27, 2011 21:03
昨年から気になっているベイトですね。
正直,釣れるベイトだと思います。重さも1オンスあるから良く飛ぶでしょう。
今年の夏にウィードの際で泳がせてみたいブツですね。
現在兵力増強中で,軍事費の貯蓄が完了すれば購入したいブツです。このカエルはオモロイ。
8. のんだくれ January 28, 2011 01:36
ドバヤンさん
商売抜きで釣れるルアーでしょうね… というよりも、動きを見てるだけで楽しいので、遊んでるうちにラッキーだったら釣れちゃうというルアーでしょうか。
フロッグでこの価格ですから買うのは結構勇気が必要ですけどね。