のんだくれと同じ年代のオサーンアングラーが口を揃える言葉のひとつに『 昔のラパラは良かった 』というのがあります。
まだルアーが高級品で舶来モノしかなかった時代にルアーフィッシングを始めた世代にとってラパラは永遠の憧れであり、またその破壊力もスゴかったので、今の工業品になってしまったラパラに嘆き悲しみ、ノスタル爺になるのは仕方のない事なのかもしれません。
しかし最近ルアーフィッシングを始めた人にとって、ラパラは単なる海外ブランドでしかありません。
そんな人にシャッドラップのスゴさ云々を熱く語ったところでウザがられるのが関の山。
でもそんな中でもコイツは世代を越えて熱ーいラウリトークができちゃいますよ、というのが今日のゲスト、クラッキンラップ。
メタルのハートを装備した重爆撃機です。
コイツが登場してからもう何年になるんでしょうか。
ラパラ家ではプラスチック製バイブレーション/リップレスクランクとしてはラトリンラップに次ぐ二男坊になるわけですが、コイツは発売当初からその実力が囁かれていました。
のんだくれの知人に、真冬の琵琶湖でフツーにウェーディングしてるヒトがいるんですが(ちなみにその人は冬しかウェーディングしません。しかも気温が下がった時にだけ!)、その人曰く、クラッキンラップは厳寒期のシャローでは『釣れ過ぎてオモシロクない』んだそうな。
そのイッちゃってる知人がオモシロクないと太鼓判?を押すのがクラッキンラップの80ミリ、最大サイズです。
80ミリ、1オンスというサイズはバス用バイブレーションとしては大きな部類ですが、このサイズだけ釣れ方が突出してるんだそうな。
最大の特徴はこの金属製ラトルチャンバーです。
金属の筒に封じ込められたラトルが、従来のバイブレーションとは明らかに違う、はっきりとしたカチカチ音を発します。
元々ラトル音はプレデターが捕食する際に発する音に似せているので、その音の要素を際立たせたのがこのルアーというワケですね。
もうひとつの特徴は結構おデブちゃんな事。
ラトルが移動するだけのリーチを確保しなければならない事もあって、ボディ幅は同サイズのリップレスクランクと比較してもかなりのメタボ体型です。
ゆえにアクションの立ち上がりはお世辞にも機敏とは言えないもっさり感があり、バイブレーション自体もフツーというか、ハデなものではありません。
しかし先述の知人に言わせるとそれが釣れる理由だ!とのこと。
これはのんだくれの勝手な想像ですが、このルアーはラトル音を効率良く発するためにバイブレーションの周波数を調整してるんではないかと。
つまり複数のラトルボールを孕んだ一般的なジャラジャラバイブレーションは、何をやったってルアーが動きさえすれば音を発しますが、コイツの場合は一個のボールを確実に左右の内壁に当てなきゃ音が出ません。
その要素を突きつめた結果がこの振動周波なのではないかと。
それゆえ、単に動きだけで他のバイブと比較すると、これといった特徴が見えず、『なんだよ、このもっさりバイブ』となってしまうのではないでしょうか。
…我ながら妄想成分が大部分を占めてますが😅
そんな妄想をよそに、コイツも近年のラパラ家の家訓に従い、ボディ内壁に塗装が施されたフィニッシュになっています。
実釣では塗装が剥がれないなどのメリットも多いのですが、往年のラパラファンにとってはガマン出来ないところでもありますね。
まあ100歩譲ってもヒレの造形はラパラには必要ないんじゃないかと思いますが、フレッシュ/ソルトを問わずラパラがもてはやされている北米市場ではこういうのが好まれますから仕方ありません。
フックはフロントのみVMCのシュアセットフックを採用しています。
正直のんだくれはこのフックの効用について懐疑的でしたが、米国のとあるプロの考えを聞いてからは割とポジティブに受け止めてます。
ファイト中のバレが多いとされる重量級バイブレーションの欠点を軽減する意味でもなんか効果ありそうですしね。
ま、信ずる者は救われるとゆーことにしておきましょう。 ←相変わらず感化されまくり
ネームは腹にこの通り。
大きめのはっきりした自体で入ってるのは見ててキモチ良いですね。
ちなみにクラッキングとはカチカチと音がする状態の事を指します。
つまり和訳するとカチカチ音のラパラって事ですかね。
バイブレーション/リップレスクランクは構造もアクションもシンプルであるがゆえ、こだわる人は徹底的にこだわり、そうでない人はまるっきりという、その差が顕著に出るルアーでもあります。
日本では話題になる事もほとんどありませんが、未だにアメリカではバスプロショップスやプロショップの定番ルアーとして売れているので、やっぱりオサカナに訴えかける何かがあるんでしょうね。
コメント
*2012年投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています
1. バンクマン February 07, 2012 19:43
このラパラ、不覚にも知りませんでした。
らしくないですね。引き出しに使いもしないラパラ箱があり、よく見たらIreland出身のCD9sの中に唇の薄い北欧娘が二人隠れてました。
83年の景品応募券とともに。少し嬉しいのは、のんだくれさんと同じオサーンだからかな(^^;)
2. ⑨ February 07, 2012 20:00
ほほう先日某所wより入手したフローティングバイブとともに使ってみたいですな
しかし最大サイズですか…話題になるどころか食べ頃6cmサイズさえ店頭で見ることが…
私の氷河期世代では高級品というより量販店で安く購入できて釣れるのがラパラという印象が強く
最近のは微妙な価格で手が出しにくいという感覚の人が多いように感じますね
3. U-dutch February 07, 2012 23:54
8センチモデルはボリューミーで大柄なんですが、
その体型ゆえ浮力が高くてシャローで使いやすいですね。
で、一個オシャカにした時に興味半分で分解しました。
内部構造は当方のブログの最初の方で出てますんで、
興味のある方は参照していただければ(・ω・)
個人的には出てすぐの時に、
海外通販した7センチモデルが一番好きなんですが、
どうして日本市場に入れないんでしょうかねー。
ラパラジャパンに3月のフィッシングショーで文句言います(笑)
4. のんだくれ February 09, 2012 12:51
バンクマンさん
のんだくれもそうなんですが、最近のラパラって存在を知らなかったいうのが多いですね。
海外と日本とでは扱うアイテムが違うというのもあるんでしょうね。
欧州マーケット向けに出てるラパラには結構ヤヴァいのがあるのにアメリカではその存在すら知られてないとかがあるので、その国ごとに完全に区切られてるのかなという感じがしますね。
5. のんだくれ February 09, 2012 12:54
⑨さん
確かに最近のラパラの価格は微妙なものがありますね。
欧米との差があるのは当然ですが、でも昔の様に高くても欲しいという感じは薄れてきてますね。
それを考えると、価格設定ってホントにムズカしいです…
6. のんだくれ February 09, 2012 12:59
U-dutchさん
あらら、ラトルチャンバーまで解剖しちゃったって、どんだけマニアックなことしてんのよ(笑)
浮力が高いもあるんだろうけど、リトリーブ時の揚力があるのもシャローで使い易い要因かもね。
7. うめ February 09, 2012 17:21
やはり真冬にワビコでの大遠投で釣ってましたね。
まあ、バイブ自体嫌いなんで真冬~早春にしか使いませんが(笑)
重さの割には空気抵抗が大きいので、ジャッカルのTN70に飛距離では負けますが、フォールでも釣れますし、ボトムでピンコ立ちしますんでボトムバンピングも良さげです。
真冬では50越えのサイズでも、テールフックに1本だけとかの掛りが多いので、フロントとテールのフックは逆に装着しています。
効果はわかりません(笑)
ってか今まさにこいつ使うシーズンやんか!
8. からし February 09, 2012 18:41
ルアーも人によって評価が別れますね。
どっかで使いもんにならんと言われてたのを思い出しました。
何でも適材適所って事ですねw
9. のんだくれ February 09, 2012 23:01
なんと! こんな身近にクラッキンラッパーがいたとは!(笑)
しかしうめさんバイブ嫌いだったんですねー(爆)
効果が分からなくなるほど釣ってるなんてニクイっすね! ニヤ
10. のんだくれ February 09, 2012 23:04
からしさん
逆に言えば、我々アングラーはルアーの設計者に試されてるんでしょうね。
『お前らにこのルアーが使いこなせるか? オラ』 みたいに上から目線というか何というか。
それを考えるとのんだくれは… キーッ! グヤジイ…