
米フェニックスロッドの倉庫で見つけた55-M2ボロンのダブルハンドル仕様。
レギュラーモデルはシングルのみだったので、スタッフに聞いたところカスタムオーダー品だと。

このロッド、単体で持つとただの激重ロッドだが、リールを付けるとティップアップとなり不思議と重さを感じないジグやワームにピッタリなバランスに。
つくづくロッドは使ってみないと分からんなと。
実はこのロッドが販売されていた80年代まで、フェニックスではプロ向けのカスタムオーダーを受けていた。
そのカスタムは画像のようなハンドル交換に始まり、レングスの調整やガイドの交換、ネーム入れや完全なカスタムロッド制作まであらゆるオーダーに応えていたと、当時から務める古参スタッフ(通称パーキー)が教えてくれた。
彼は日本から来たロッドオタクがテンション爆上げだった事に気を良くしたのか、翌年遊びに行った時、大量のヴィンテージロッドをストックしてくれていた。

ピンボケでスマン
あまりのお宝にコーフンし、なんでこんなにも当時物があるの?と聞いたところ、フェニックスは創業当時からLifetime Warranty、つまりオーナーが生きている限り製品の破損を保証する生涯保証を掲げており、生産終了から30年以上が経つにも関わらず今だに些細なトラブル(ガイドのスレッドコートが剥がれた等)で製品交換を要求してくる客がいてロッドを送ってくるんだ、と。
そして、どっちにしろ捨てるしかないから欲しいならタダであげるよ、と。
ということでこれらを全部日本に送ってもらう事に。
フェニックスロッドと取引を始めた最大の理由は、当時あこがれだったロッドブランドと仕事したかったという単なる私欲を満たしたかったからなのだが、こんな形でプライベートの欲求を満たすことになるとは想像すらしてなかった。

フェニックスの完成品が保管されている倉庫。これの他に同規模のスベースがある。

こちらはロッドブランクが保管されている棚。一箱にブランクが100本入っている。ブランク販売も好調でシーズン前にはこの棚が空になるらしい。
日本でフェニックスロッドがブームになっていた頃からはオーナーも変わり、当時(フェニックス社内ではその時期をBoron Daysと呼んでいる)を知るスタッフも一人になってしまったけれど、西海岸ではまだ現役バリバリのロッドメーカーだと再認識出来た事に大満足。
その後もパーキーは何回かヴィンテージロッドを送ってくれたが、残念なことに彼はベーカーズフィールドで開催されたフィッシングショーの最中に心臓麻痺で倒れ、そのまま帰らぬ人に。
ボロンデイズの話をもっと聞きたかったがそれも叶わぬ夢に😭

その後フェニックスはヤマモトベイツ(旧ゲーリーヤマモト)やバグリー、ビルルイスなどを擁するGSMアウトドアーズに買収されたため取引関係は無くなってしまったが、今もフェニックスの元には生涯保証でヴィンテージボロンが戻って来て、そしてそれらが破棄されているのかと思うとなんともやるせない気持ちになるのです。


