かつて名作として名を馳せたルアーが復刻されると、多かれ少なかれ必ず聞こえてくる『復刻モデルはダメだ』という否定的な意見。
ルアーの出来不出来はどうあれ、復刻モデルに対する失望コメントはもはやお約束と言ってもいいぐらいの予定調和。
吉本新喜劇の超ベタなギャグで爆笑する流れのように、ある意味セットになってるモノと言ってもいいでしょう。
確かにオリジナルモデルでイイ思いをしたアングラーほどそのルアーに対する思い入れも強いので、ほんのわずかな違いが許せないのかもしれません。
でものんだくれに言わせると、それらのほとんどは単なる思い込み。実際問題、完全復刻を謳いつつ、なんじゃこりゃ?なモノもあるので肯定も否定もしませんが、中には復刻版の方がオリジナルを上回るなんてこともチラホラ。
このオリジナルマグワートは、そんなオリジナルモデルのパフォーマンスを上回る数少ない例のひとつです。
ストーム創業者兄弟のリタイアメントに伴うラパラへのストームブランド売却以降の歩みは、元祖千一夜ブログの頃から何度も書いてるのであえてここでは書きませんが、このオリジナルマグワートはストームブランド復興策の一環として打ち出されました。
ラパラがストームから販売権利を譲渡されて最初にリリースしたウィグルワートは、生産効率と精度アップを目的とし、ボディ一体成形の旧タイプからボディとリップを別々に製作してアセンブルする方式に変更された、いわばハイブリッドなものでした。
この、ストームマニアの間でベンドビル Bend Billと呼ばれるタイプ(リップのパーツが下に折れ曲がっている事に由来)は、カラーリングも含めたストームの世界に新風を吹き込むものと思われましたが、外観が大きく変わってしまったことで、従来のファンを大きく失望させる結果となってしまいました。
そしてなによりも【サイドステップのように同方向に2回連続でウォブルする】あのウィグルワート特有のイレギュラーな動きがちゃんと再現できていないという決定的な事実が、前代未聞のストーム離れを起こすことになったのです。
そしてラパラは旧ストームのファンから 『俺たちのストームブランドを失墜させたダメな会社』 のレッテルを貼られ、母体のラパラノーマークブランドすらもイメージダウンしかねない状況だったのです。
単にストームブランドのセールスの問題だけじゃおさまらなくなってたんですね。
20年程前、ちょっとイッちゃってるエリックという熱狂的なストームマニアと懇意にしていた事があるんですが、そいつのラパラへの怒りはハンパではなく、ラパラに抗議の電話やメールをするなど、放っておいたら訴訟も起こしかねない憤慨ぶりでした。
随分前の話ですが、コカ・コーラの味が変わったことに激怒したコークマニア達が訴訟を起こして、オリジナルテイストのコカコーラ・クラシックという商品を発売させるところまでやっちゃった国民性ですからね、怒ったら何するか分かりませんよあいつらは笑
のんだくれ的には初代のチェリーコークテイストを復活させてくれたら何も言う事ありませんけどね。
あ、あと会社は違うけど、維力と書いてウィリーと読ませたアレもねw
さてさて、話を本題に戻しましょう。このオリジナルマグワートは、オリジナルサイズのウィグルワートの兄貴にあたるビッグバージョン、マグナムウィグルワート(のちにマグワートに改名)の復刻版です。
実際にはこのモデルの前にベンドビル版のマグワートが存在するんですが、長くなるので今回は割愛。
オリザラと比べるとボリュームがある様に見えますが、リップを除いたボディの大きさは65ミリと、KVDクランク2.5サイズと同等の大きさです。
最初にオリジナルウィグルワートの名で弟が復刻され、その後にこのマグワートが続いたのは皆さんご存知の通りですね。
ウィグルワートの最大の特徴でもあるリップもちゃんとオリジナル通りに蘇っています。
このルアーは泳ぎが破綻するかしないかのギリギリのバランスで激しくウォブルするワートアクションのがウリなので、このリップがないと何も始まりませんからね。
リーチが長いのでよくディープクランクに思われがちですが、実際にはそれほど潜らず、むしろその障害物回避性能からスクエアビルのシャロークランクに近いものがあります。
オリジナルと復刻版との決定的な違いはモールド技術の向上と丁寧な仕上げ工程によるスムースなボディラインです。
凸凹でズレたパーティングラインがウリwでもあった旧ウィグルワートに比べて、こちらのラパラストーム版はご覧の通りのぷるるんタマゴ。
のんだくれ的には凸凹があった方が血が通ってると言うかハンドメイド感があって好みなんですけどね。
とはいえ、ケツの部分はビミョーにズレてたりして、ちゃんとラパラクオリティしてないところがナイスだったりします。
しかしトータルで見てみると、旧ウィグルワートに時々見られたラトルの固着や、アイチューンで矯正できないほどのダメな個体が無くなったので、泳がせてみてFxxxxxK!と叫ぶ事が無くなり、安心して購入できるように。
しかもリメイク版はプラスチック素材を変更したことにより、いわゆるボーン素材でない透明プラのモデルでも高いラトル音を出すので、意地になってボーンのモノを探さなくても良くなりました。
…とはいえ、同じボーンカラーでも微妙に音が違うというアメルアのお約束は引き継がれてるんですが。
でも残念なことに旧ストームの代名詞ともいえる青や赤のスケールパターンは現行カラーチャートでは蘇りませんでした。
せめてもの救いは、サーモン用のクロームカラーが生き返ってくれたことでしょうか。
バスよりも圧倒的にパワフルなサーモンフィッシングでも使われるルアーだけに、フックは前後とも太軸のロングシャンクを装備。 スプリットリングも強化バージョンを採用しています。
ロングシャンクだけにフロントフックがリップに引っかかってしまうというお間抜けな事も起こりますが、ま、それもぜーんぶひっくるめてのウィグルワートですから。(笑)
ネームプリントはリップ裏に入っておりますが、ストームのロゴマークのみでちょっと寂しいなぁ。
どうせオリジナルを謳うんだったらあのドット文字じゃなくてもいいからせめてWiggle Wart®とやって欲しかったなぁ
タダ巻きするだけでも十分釣れるルアーですが、このオリジナルマグワートは旧ストーム時代のマグワートよりも浮力が強く、ピリピリと泳ぐ、よりタイトなアクションに進化(賛否あるでしょうが笑)しているので、ウィードの面をガーッと巻いて、時折フワーッと浮かせて水面へ逃走するベイトフィッシュを演じても面白いルアーです。
またオリジナル”サイズ”のウィグルワートより泳ぎが大人しいという、見方によっては欠点に思える要素も、使いようによってはリーサルウェポンとなりますので、次回の記事ではその辺りのノー書きを垂れてみましょう。
という事で次号をお待ちくださいませませ。
オリジナルマグワート#2 はこちら
コメント
*2012年投稿当時のコメントをそのまま転載しています。