バングオールアー#5 Bang-O-Lure #5 / バグリーズベイトカンパニー Bagley’s Bait Co.

 

バグリーのバングオーとラパラのオリジナルフローティング。

 

「似て非なるもの」という言葉がこれほど当てはまるルアーは他にはないでしょう。

 

という事で今日のゲストは、バグリーヒストリーを語る上で絶対に欠かせないミノープラグの傑作、バングオールアーでございます。

 



 

 

“いやいや、似て非なるものっていうけど、そもそも全然似てねーし”

 

という声が聞こえてきそうですが、それは両者をある程度使って特性を理解してる人の意見であって、使ったことがない人にとっては、両方とも “バルサ素材のミノー” でしかありませんから😁

 

ラパラの北米上陸に対抗してバグリーがこのルアーを市場に送り出したというのは有名な話ですが、その辺りの詳しい話をここでするとエンドレスになるので、知りたい方はググってみてください。

 

 

 

バングオーはご覧の通りの超シンプルなミノープラグです。

 

最近はミノーではなくジャークベイトと呼ぶのがトレンド?になってますが、このバングオーは誰がなんと言おうと間違いなくミノー。

 

バングオー自体に長い歴史があるので製造された時期によってフォルムが変わり、それによって動きの特性も変わってくるのですが、のんだくれが一番惚れ込んでいるのが80年代中期に製造されたモデル。

 

この時期のモデルが浮力バランスとそれに伴うアクションレスポンスが抜群なのです。

 

そしてラパラのオリジナルフローティングと最も顕著に違いが出ている時期でもあります。

 

 

 

その違いが最も分かりやすいのがボディの幅。

 

しっかりとした浮力を持たせるため、ボリュームのあるボディ設計になっています。

 

トゥイッチングアクションではこのグラマラスなボディが機敏に、しかし力強く動くので、同サイズのミノープラグの中では格段に強いボルテックスを生み出してくれます。

 

しかしこのボディサイズのメリットはそれだけに終わりません。

 

 

 

実はこのバングオー、常に水平姿勢でアクションしてくれるんです。

 

その昔、ミノープラグを語る際に、頭を下げた姿勢が良いのか、はたまた頭を上げた姿勢が良いのかという論争?が勃発したことがありましたが、のんだくれが思うにこのバングオーに限っては “常に” 水平姿勢だからこそラパラの迎撃手になれたのではないかと。

 

その理由は、水平姿勢をキープする事で浮上時に背中が受ける水の抵抗を逃さないから。 いや、逃さないというよりも、抵抗を上手く活用していると言った方が近いかも。

 

バングオーの威力を知る人たちの口からよく聞かれる言葉に、「浮上時もしくはリトリーブを止めた瞬間のバイトが多い」というのがあります。

 

これは実際にバングオーを動かしてみれば一目瞭然。 バングオーは浮上する時、ボディを左右に揺らしながら浮いてくるのです。

 

それはいわゆるローリング系の動きではなく、明らかに左右にフラつく動き。 番場蛮の魔球にも似た不規則な挙動です。

 

つまりこれはボディ下部の水の流れが整流されていないことの証で、言い方を変えれば不規則な乱水流が生まれているからこその動き。

 

要するに、バスはその乱れた水流によって側線を刺激されているのではないかと。

 

実はこの動き、バングオーの好敵手であるラパラのオリジナルフローティングにはない動きなんです。

 

サイズによって微妙な違いはあるものの、ラパラの浮上はぼぼ全て、やや頭上げ姿勢のままボディを揺らすことなく真っ直ぐに水面を目指します。

 

それはボディの扁平率(ボディの幅 ÷ 高さ)にも明確に出ており、バングオーが0.83〜0.85なのに対し、オリジナルフローティングが0.74〜0.76と、ラパラの方がより縦扁平になっているので水流の乱れが少ないのです。

 

ファットなボディラインを持つカウントダウンラパラでさえ扁平率は0.77〜0.78である事からも、バングオーのボディ断面がいかに丸いかが分かりますよね。(球体が作り出す乱水流効果については各自GGR。ジャッカルのデラボールはその好例)

 

80年代中期のバングオーは、この乱水流を生み出すための浮力設定が強過ぎず弱過ぎすで絶妙な匙加減なのです。 このアプローチはさすが “クランク屋のミノー” って感じですよね。

 

これがラパラとバングオーが “似て非なるもの” と言われている最大の理由です。

 

かつてプラスチックミノーを語る際に、タイガー派とマーベリック派に分かれていましたが、バングオー派とラパラ派の闘争がそれほど多くないのは、アクションの特性があまりにも違うので比較対象にならないから。

 

ラパラはラパラでめちゃくちゃ釣れるし、バングオーも然り。 両者は同じミノーでありながら全くの別物なのです。

 

 

 

そんなノー書きを聞かされた後にリップを見ても今ひとつピンと来ないと思いますが、実はこのリップあってのバングオー。

 

4インチモデルと同じサイズのリップを採用しているのですが、5インチボディに最適化された位置と角度でスイムアクションをしっかりサポートしています。

 

ラパラのスイミングアクションが振り幅を抑えたナチュラル系なのに対し、バングオーのアクションはアメリカ人の好きなダイナミック系。

 

水面での静止状態から軽くトゥイッチをかけると、程よくバブルを身に纏いながらアムステルダムのレッドライトガールズのごとく妖しく身をくねらせます。

 

これこそがバングオーが最強のトップウォーターミノーと言われる所以。

 

この動きを見ると 22 Acacia Avenue の歌詞で、たまたま出会ってしまった娼婦に主人公が惹かれてゆくキモチが分からなくもないですね… ってチガーウ!😂

 

 

 

そんな動的なパフォーマンスを視覚面でサポートするのが、バグリーでは定番中の定番カラーであるテネシーシャッドカラー。

 

ストッキングを使って吹いたであろうヘキサゴナルパターンもクラシックでイイ感じです。 見方によってはバーレスク東京のダンサー的に見えなくもな… シツレイしました😂

 

一見なんてことのないベイトフィッシュカラーですが、背中のブラックからカパー → パールホワイト → オレンジベリーへと変移することで見事な明滅効果を生み出し、どの光線量にもマッチするオールマイティなカラーになっています。

 

バグリーのテネシーシャッドはベリーのオレンジをやや弱目に吹いているのが特徴で、これについてはカラーにうるさいキャッチンコンセプトのハーマンも絶賛していました。

 

定番のカラーには定番になり得る “釣れる理由” がちゃんとあるんですよね。

 

 

 

リグはコアとなるウッド素材に打ち込まれたヒートン&リング方式を採用。

 

これはコレクション用で一度も投げていないので、フックもリングも80年代当時のオリジナルです。

 

フックはショートシャンクのラウンドベンドが標準で、これは今でも続いているバングオー家の掟でもあります。

 

ただ、このヒートン方式は実釣では強度的にやや不安なところも。

 

バングオーのトップコートはそれほど強くないので、使っているうちにどうしても割れが生じてしまい(ズイールほどではありませんが😂)、浸水によってヒートンが抜けてしまうことがあるんです。

 

 

 

特にテールのヒートンは抜けやすいので、あらかじめ瞬間接着剤で強化しておくのはもちろんのこと、ある程度使ったバングオーは早めに引退させてあげるのがオーナーとしての優しさでしょう。

 

ヒートンが抜けてデカいのをバラした時の悔しさは味わった者しか分かりませんからね😭

 

 

 

腹にプリント、リップにエンボスモールドとダブルでネームが入ってるのがこの時期のバグリーの特徴。

 

ルアー名に ” “(クォーテーションマーク)を入れるのもバグリーらしいですね。

 

90年代に入ってデザインロゴだけになった時は嘆き悲しみましたが、バグリーの社長を勤めたマイクに当時の話を聞いて、あれはあれでコスト削減上、仕方なかったんだなと納得。

 

ネームプリントひとつとってもそこには歴史があるんです。

 

 

 

バグリーは2000年代の初めに社長に就任した人物の無謀とも言える采配で大規模な顧客離れを引き起こし、さらにスキルを持ったスタッフも離れてしまうなど心身共にズタズタになってしまいましたが、とる人物の登場により起死回生の復活を遂げます。

 

その人物とは、かつてライバルだったラパラでデザイナーを勤めていたこともあるヤルモ・ラパラ氏。

 

バグリーの窮地を知った彼が各方面に働きかけたことで、バグリーは過去のブランドにならずに済んだのです。

 

ライバル関係だった人物に社運を託さなきゃならないなんて屈辱以外の何ものでもない!と思ってしまいがちですが、そこには当事者同士でないと到底理解することができない “ライバル愛” があったんです。

 

当時ラパラの血が入ることに強い拒絶反応を示したコアな米バグリーファン達も、現在のバグリーを見て、あれは正しい決断だったと理解を示しています。

 

実はそんな新生バグリーがひっそりとプラ製のバングオーを出しているのを知っていますか?

 

 

 

その名もミノーB。

 

プラスチックのバングオーと聞いてアレルギー反応が出てしまう人もいると思いますが😁、実はこれがなかなかバグリーリスペクト精神に溢れたルアーに仕上がっているんです。

 

ということで今日のノー書き大会はここまで。

 

ミノーBの詳細についてはいつかまた記事としてポストしますので、それまでチンコを硬くしながら気長にお待ちください。

 



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